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インドネシア・ジャカルタの人口

インドネシア・ジャカルタの人口

インドネシアの首都ジャカルタに初めてくる人たちの多くのがまず気がつくことに街の中の人の多さがあります。

インドネシアは人口2億5千万人といわれ、ソ連邦が崩壊した後、中国、インド、アメリカ合衆国に次ぐ世界で第4位の人口を有する国となりました。

首都ジャカルタには東京と同じ1000万人くらいいるといわれています。

私が初めてジャカルタに来た1991年当時は、今のように空港から市内へ直通の高速道路がまだできていなかったとき。

夕暮れ時、空港から街の中心への途中の道端の暗がりに特に何をするあてもないような人たちがぞろぞろといて、眼だけが光ってなにやら私の乗った車に彼らの視線を感じるようで薄気味悪く感じたものでした。

後になってわかったのですが、出張や赴任してきた日本人たちが同じようなことを私にもらすのを聞いて、やはり初めての人にとっては気味の悪いものなのだと思ったものです。

雇用と失業率

雇用と失業率

インドネシアの歴代大統領の誰もが頭を悩ます最重要課題は、いかに国民の雇用を確保し日々の糧を得させ落ち着いた生活をさせるかにあります。

毎年250万人とも言われる新規雇用需要が発生するこの国にとって、彼らに仕事を与え彼らの胃袋を満たすことが治安の確保につながり安定した政治・経済体制作りの基礎となるからです。

インドネシア政府の発表する失業率を見ると先進国ほど良くはありませんが、街中でふらふらしている人々を見ていると本当にこんなに低いのかと疑いたくなる数値が発表されます。

実のところ道路の清掃業務を週に2~3日しただけでフルタイムとするなどどうも就業時間の基準が甘くなっていたり、農業を営んでいる人々の数を本来の数字から水増ししているので、政府の発表している失業率が先進国と同じ基準でカウントされてないのではないかと言われます。

ワークシェアリング

インドネシアの雇用問題

ジャカルタのあるジャワ島は、古くはヒンドゥー教の影響によるインドのカースト制に似た身分制度があったところで、身分によって仕事を区分する風習がいまだに残っているところがあります。

私が赴任していたジャカルタの会社でも事務所の掃除をする人間は決まっているので、フロアにごみが落ちていてもインドネシアの事務職のスタッフは拾おうとしません。

とかく何でも自分でやってしまう習慣のある日本人たちは良かれと思って落ちているごみを拾ってしまいますが、これが結果としてインドネシア人の仕事を奪ってしまっていると、インドネシア人の人事マネージャーから注意されたことがありました。

良く言えばこの頃よく耳にするワークシェアリングがはっきりしていると言えるかもしれません。

昨今欧米でもワークシェアリングを導入する国が出てきて、1人1人の収入は減るものの、一方で雇用を確保し経済再生のきっかけをつかもうとする動きも出てきています。

傷みを伴う構造改革の実行の必要性が訴えられている日本でも、単に人減らしによる効率化ばかりでなく、この辺に参考になる点があるのかもしれません。