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トロントのクラブやらロックやら音楽イベントの質って実際どうなの?

「海外の音楽はすごい」日本人として生きていて、一度くらいは聞いた事があるのではないでしょうか。音楽に限らず、アートやWeb、ビジネスの分野でも同様の話はあると思いますが、重要な事は「果たしてどれほど、何が海外はすごいのか」という事に尽きると思います。私が2年前に海外留学を決めた目的の一つは、海外のクラブやライブハウス等の音楽カルチャーはどれほどの物なのか、体験したい。ということでした。
本場イギリスのワーキングホリデーに落選し、トロントを選んだわけですが、音楽カルチャーに興味があり、ワーキングホリデーを渡航方法に選ぶ人間に取っては割と王道的選択だと思います。そこで実際のトロントでの音楽・クラブカルチャーに着いて言及したいと思います。

NXNE、Torontoジャズフェス、ミュージックウィークは有名だけど

「イギリスほどではないけれど、トロントだってニューヨーク近いし、モントリオールも近くて大都市だから、カルチャーは面白いっしょ。」これが渡航するまでの私のトロントへの漠然なイメージでした。実際、人種のモザイクと言われ、移民が多く有名なアーティストも多く輩出するトロント。滞在期間にたくさんの貴重な出会いと体験がありました。音楽の体験でも、多くの有名なアーティストがトロントで公演をするため、楽しむ機会はたくさんあります。ですが、私のような、日本で開催される、主要な海外の著名アーティストが参加する音楽イベント(フジロック・サマソニ、メタモ、エレグラ、タイコなど)を軒並みチェックしている人間にとって気づかされるのは、大体の有名アーティストは来日公演をしてるよね、ってことです。NXNE(ノースバイノースイースト・国内外問わずのインディーバンドの音楽フェス)、Torontoジャズ,ミュージックウィークもぶっちゃけ、出演者は日本にも来てくれる人が多いのは事実だと思います。これは別にミュージックフリークに限らず、せっかく滞在しているのだから、「もっとローカルなカルチャーを体験したい!」という人にも通じるのではないでしょうか。

実際トロントのロック・クラブカルチャーってどうなの?

では、実際にe-mapleなどトロントの情報サイトで紹介されている箱はどうなのかってことだと思います。有名どころではGovernmentとかがは必ず紹介されますが、、、
私が滞在していたころは、ネットで検索できるほとんどのクラブではUSTOP40が流れ、客のほとんどは留学生でたむろし、ローカルな音楽カルチャーや、イベント等には出会う事はほとんどありませんでした。ロックのライブも地元の友達が集まり、なぜかアメリカン80‘sメタルを演奏し、クラブイベントもナンパのため社交場の域を出ず、周りはコリアンや中国人だらけ。。。気骨あるDJ・音楽好きな客に出会う事は正直、ほぼなかったです。わかった事はトロントの地元の人間にとって、有名どころのイベントに、実力のあるアーティストは有名な場所には来ないという事でした。

トロントで楽しむべきイベント・場所とは

では、純粋に音楽やカルチャーを体験したに人にお勧めできるのはどれか。私が個人的に訪れて楽しめた場所をいくつか紹介致します。「トロントならでは」を体験したい方に有益になれば幸いです。

1footwork
スパダイナxクイーントいうアクセスの良さ。トロントの中で一番真面目にテクノのイベントを開催する箱。ローカル臭を残しつつ、そこそこの音のクオリティ。トロントの中ではDJのはずれは少ない。留学生がほぼいない。

2wrongbar
ダンフォースxクイーンに位置するクラブ。ファンクションワンという世界屈指のサウンドシステムを有する箱。しかし、騒音問題で出力が出せず、結果残念な音ではあるが、ブッキングは優秀。Rustie,Surkinなど有名どころを直近で見る事ができました。

3creators lounge
トロントで開催される日加のアーティスト交流イベント。実は筆者も立ち上げのメンバー。宣伝ではないですが、カルチャーに興味のある方にはチェックをして欲しいです。必ず何かしらの収穫があると思います。

4地元のウェアハウスパーティー
これは一番ハードコアで、オープンなイベントは少ないですが、、
海外の、特にトロントは、有名どころの地元の音楽アーティストがダウンタウンのクラブラインナップに乗らない最大の理由として、向こうにいまだにドラッグカルチャーが根強く残っているという事です。どういう事かといいますと、規制や留学生の入り乱れるチャラ箱に、トロントの時もロアーティストは見向きもせず、ダウンタウンのはずれの場所で内輪で楽しくドラッギーにやっているわけです。例えば少し前に日本でも人気になったCrystalCastlesやdeathfromabove1979なども特に告知をせずに空港の近くの倉庫などでイベントをやっていたりします。こればっかりは地元で情報を集めるしかないですが、上記の場所で開催される大きなイベントにいるトロントニアンなどが結構おしえてくれます。

 結論としてのトロントのカルチャー

結論から言って、トロントはまだまだ発展途上です。ただ、ニューヨークのような「やり尽した都市」とは違い、可能性に満ち、オジントン周辺等は特に「これから」という雰囲気があります。世界最先端にはほど遠いものの、未来への可能性や面白い人間には事欠かない場所ではないでしょうか。

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TATSUYA KUSABA
TATSUYA KUSABA
クラフトビールの輸入会社を経営中。下記サイトから購入も可能です。 BCBBeerTrading