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「国際化」に関する注意点

「国際化」に関する注意点

色々と問題はありますが(苦笑)、今年2016年はブラジルのリオ・デ・ジャネイロでオリンピックとパラリンピックが開催されます。

4年に一度の祭典に盛り上がっているとは思いますが、世間の目はすでにその4年後に東京で行われる2020年のオリンピック、パラリンピックにも向けられていると思います。

4年後のオリンピック、パラリンピックに向け、日本では「国際化」に向けた準備がたくさん行われていますが、海外から日本を見ている側としてその方法にしっくりこないことがよくあります。

今回の内容は少し偏ったものになるかもしれませんが、目を通していただけると幸いです。

一言に「外人」と片付けないで欲しい

一言に「外人」と片付けないで欲しい

「外人」は私が最も苦手な日本語です。

この1単語で日本出身ではない人、もしくは日本国籍を持たない人をひとまとめにしている気がするからです。

この分類には、悲しいことにハーフ、移民、在日の方も含まれてしまいます。

差別的といえば大げさかもしれませんが、私にはどうしてもそう聞こえてしまいます。

世界には190以上の国や地域があり、それぞれで違う言語が話され、違う文化が発展し、様々な歴史が刻まれています。

日本を離れて生活している方の多くは身をもって経験したと思いますが、世界は皆さんが思っているよりもずっと広いです。

日本(多くの場合中国と韓国も含まれる)以外の国の出身、もしくはそこがルーツである人たちを「外人」の一言でまとめるせいで、そんな違いを無視するだけでなく、彼らの個性を台無しにしてしまいます。

それに「外人」=白人、アメリカ人、英語圏出身の人たちと思っている人もきっと少なくないでしょう。

「外人」としてくくられる人たちの多くは英語を母国語にはしていません。

日本に来る人たち全員が英語を流暢に話せるわけでもありません。

確かに英語は国際的な言語だと唱える人も多くいますが、世界人口からみて英語話者よりも中国語、スペイン語の話者のほうが実は多くいます。

留学や仕事だけでなく旅行で日本に来る人にも日本語を話したい人も多くいます。

なので「外人」だから日本語が話せない、英語で話しかければいいと思わないでください。

また同じような理由で、私は話す/書くときに日本以外の国(海外)を、外国ではなく現地、滞在先、留学先などと言ったり、国の名前を使ったりするようにもしています。

同じ「外国」でも私のスイスでの生活とカナダでの生活は全く違うし、人に対してもそうですが名前を使うことによって滞在する/した/する予定の国をきちんと尊重している感覚がするからです。

そこまで「外国人向け」にこだわらなくていい

そこまで「外国人向け」にこだわらなくていい

「外国人向けのサービス」、この言葉に少し差別的なニュアンスがあると思ったのはきっと私だけのはずです。

普通に英語で”customer service”と書くだけでいいし、そもそもなんで免税などをサービスカウンターと一緒に出来ないのかと疑問に思ったのも私だけだと思います。

つい先日もnaverまとめだけではなく、the guardianで「外国人向け」の地図の表記を作ることが記事になっていましたが、 卍(まんじ)がナチドイツのマークに似ていることは今に始まったことではないし、今の今までそれが問題にならなかったことが不思議でした。

また、 駅などにある「浜通り」という表記をローマ字で”hama-dori”から”beach”に変える、つまり道の表記までも英語にしようとする動きもあるようです。

仮に日本を旅行している人が私たちにその「外国人向け」の地図を見せ、道を案内して欲しいと言われたとして、見慣れない地図記号を見た私たちが道案内できないことは少ないかもしれません。

しかし「浜通り」という通りが”beach”と表されることによって、漢字が読めない人たちがこの先に「本当のビーチ」があると思い込んでしまうし、逆に私たちが彼らの言いたいことを理解できなくなりかねません。

実際にこの話をトロントにいる、日本をほとんど知らない友達に話したとき、こういう動きにはみんなが翻弄されてしまう、私たちを思って行った「外国人向け」の対策は逆効果だと指摘しました。

英語を使えば「国際化」できると思う人がいると思いますが、実際そうはいきません。

先に述べたように、英語を母国語にしている人はそう多くはありません。

日本を訪れる人、日本で新生活を始める人のニーズに応えることはこれから増えると思いますが、なんでもかんでも英語を使うあまり私たちが混乱してしまうと意味がありません。

本当の意味での「国際化」とは?

本当の意味での「国際化」とは?

「国際化」する社会において、国、地域、人々の違いや個性を大切にすることはとても大切です。

つまり「日本(人)らしさ」はきちんと残すべきものなのです。

日本人が培った歴史、文化、言語、価値観は、別の視点から見るととてもユニークで興味深いものなんです。

それを無視して「国際化」に走る必要はありません。

確かに英語は「国際化」においてかなり重要な役割を果たしていますが、この言語はコミュニケーションやビジネスを円滑にするものにすぎません。

本当に日本社会を「国際化」したいのなら、日本人と「外人」のニーズに対等に応えること、英語だけではなく日本語にも目をむけることから始めてはいかがでしょうか?

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Asuka S
物心ついた時の将来の夢は外人になる事で、その当時から日本語よりも英語に食いついていていたらしい。高校生の時スイスに一年間留学。卒業後は渡加し、現在はトロントにある大学で国際学を専攻中。日本語、英語、フランス語、ドイツ語とスペイン語を話し、写真、野球、食べ物などを愛する大学生。