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モスクワに旅立つまで

モスクワ_展示
今は退社していますが、以前仕事でモスクワへ行った時の話を共有します。

ドイツとフランスの展示会を視察するのがメインの海外出張でした。

しかし、「もしかしたら、隠れアイテムがあるんじゃないか」という期待を胸に、2泊だけロシアに滞在し、モスクワで開催されている展示会も見に行きました。

ロシアの入国は初めてだったのですが、たった1泊でもビザが必要だと言うことでパスポートを持って大使館へ。

手続きも面倒で2度大使館へ足を運びました。

さらに、手数料を支払わないといけなかったんですが、それが高い!

訪露した時が2010年なので、正確な料金は覚えていませんが、同僚と合わせて15,000円ほどの手数料を支払ったと思います。

会社が経費で落としてくれたから良かったものの、プライベートでロシアに行くことを考えたら手間もかかって手数料も高額で、行く気がしないです。

ロシア入国初日に起きた“事件”

モスクワ_事件

何はともあれ、出張の準備も整い、ロシアのモスクワへと無事入国。

訪露したのは1月。

その日は特に冷え込んでいてしかも夜!空港から電車に乗り込み、モスクワ市内の駅で下車した瞬間、笑うしかなかったです。

というのも、肺が凍りつくのを感じるくらい、寒かったからです。

同僚も同じくゲラゲラ笑い出し「なんなん、この寒さ!」って、二人してモスクワの静かな駅のホームではしゃいでました。

その日の気温は-20度近かったと思います。

夜も遅かったし、ホテルまでちょっと遠かったので、タクシーで行こうと計画していました。

ロシア語なんて話せるわけないし、ロシア語も理解できるわけないので、ホテルのウェブサイトのアドレス欄をパソコンでキャプチャ、プリントアウトした紙を用意していました。

ちなみに、ロシアはタクシー会社があまりなく、一般市民が副業がてらに自家用車を利用してやっています。

駅で「タクシー?」と次から次へ声をかけてくるロシア人たち。

ひとり捕まえて話を聞くことに。

しかし、当たり前ですが、ロシア語で話かけられたので、とりあえず用意しておいたホテルの住所の書かれた紙を渡すと、携帯で「1000(ルーブル)」と見せてきました。

当時のレートで3,000円くらいでした。

ふっかけて来てるのも十分にわかってました。

しかし、日本から最初の入国がロシアだったし、アムステルダム経由で疲れてたし、早くホテルに行って休みたかったので、「OK」と伝え、車まで連れて行ってもらいました。

ドライバーと思われるもうひとりの男が車で待っていて、「寒くないんか?」って思いながらも、彼の自家用車に荷物を乗せ乗車。

駅で出待ちしていた男が「前払い」的な、「お金を払え」的なジェスチャーをしてきたので、1,000ルーブルを取り出そうとすると、その男は「2000」と打たれた携帯の画面を見せてきました。

疲れてイライラしていたので、反発し、「お前最初1,000ルーブル言うてたやんけ!」と英語で話すも伝わらず。

なら、日本語でも一緒だと思って日本語と英語でワァワァ言うことに。

それでも引き下がらない男だったので、同僚と「ほかのドライバー探しましょう」ってなって、車から荷物を下ろそうとしました。

すると、「1,000ルーブルでいい」的なことを言ってきて、結局乗り直してホテルへ向かえました。

ロシアもアメリカと同じチップ制度があるかは知りませんが、もちろん払うわけもなく、さっさとチェックインして即就寝しました。

観光で面白かった事

モスクワ_地下鉄

翌朝さっそくモスクワの展示会場へ。

期待していた隠れアイテムはなく、ほぼ午前中で会場を周り終わりました。

時間も余ったので、ミッション・インポッシブル4でも撮影の舞台となったクレムリンのある赤の広場へ行きました。

とても綺麗で、日本人としての観光客魂が燃え、写真を撮る撮る。

しかし、撮り始めて1分もしないうちに、「もういいか」ってカメラをバッグに戻しました・・・。

というのも、くっそ寒くて一瞬で手がガチガチになってしまい、写真どころではなかったから。

むちゃくちゃ寒かったのに、スタイルのいい綺麗なロシア人が通ると寒さなんてそっちのけ。

目が勝手に追うんです。

私の脳みそが一時、痛覚を失い、寒さを感じないほど色白でスラッとした超綺麗なロシア人たちが広場を歩いていました。

あまりのロシア人の綺麗さに、カメラも取り出さず見惚れていました。

そんな赤の広場の傍らで、人だかりができて通行人がざわざわとしていました。

何かなと思ったら、このクソ寒い中、「心頭滅却すれば火もまた涼し」の逆のことわざ「冷水もまた温かし」が現実に存在するんかって、思わせることをやってるロシア人たちがいました。

小さな小屋で水着や下着になった人たちが、ひとりひとり冷水に入っていたのです。

カメラすらまともに撮れない、この極寒で「アホなんちゃう?」と思いながら、ロシアの文化を味わいました。

話は変わりますが、今回旅でもっとも面白かったのが、モスクワの地下鉄でした。

ホテルから1つで地下鉄の乗り継ぎだったのですが、私はロシア語が読めません。

ですので、駅の路線図をプリントアウトして、乗る駅、乗り換える駅、降りる駅をマーカーで印を付けて、間違えないようにしてました。

そして、事件は展示会場へ向かう朝に起きました。

同僚とはぐれてしまったのです。

出勤時間だったと思うのですが、駅のホームは多くの利用者で溢れていました。

ホームに降りると直ぐに電車が来たんですが、この電車にとても驚きました。

ものすごい勢いで入ってきたかと思えば、急ブレーキ並に停まって、ドアも「バン!」って音がなったかと思うくらい力強く開くのです。

そして、乗車していた人たちが電車を降り、ホームで待っていた人たちが乗り出す、当たり前の光景が一瞬で壊れました。

車両はまだ余裕があり、まだ乗車中の人がいるのに、ドアが勢いよく閉まって、ビューンと走り出してしまったのです。

「えぇ~」と思いながら次の電車を待っていると、1分もせずに同じように運転の荒い電車が入ってきました。

「次こそは乗れるな」って思っていたんですが、私の前にいた同僚が車両に乗ったところで、捉えた獲物を逃さないかのごとく、ドアがバンと閉まり走り去ってしました。

これには、ものすごく焦りました。

電車を調べていたのは私だったので、乗り換え駅も降りる駅も把握しているのは私でした。

同僚は何も知りませんでした。

やばいと思いながらも次の猛獣な電車に乗り込み、乗り継ぎ駅まで来た時にホッとしました。

ちょうどドアが開く目の前のホームで同僚が待っていたのです。

同僚は私が何気なく言っていた「2ツ目で降ります」をしっかり聞いていたようで、無事会うことができました。

モスクワの地下鉄の朝は出勤利用者が多く、チンタラしてられないんだろうなって勝手に解釈。

すぐに出会えたからよかったものの、「このままロシアで会えなかったらどうしよう」って不安でいっぱいの2駅乗車でした。

モスクワに着いたのは深夜だったので、実質2日間でこれだけのことが起きて、帰国してからのネタになったのは言うまでもないです。

この先の人生でロシアに行くことなんて、もうないような気がするので、とても貴重な体験ができて楽しかったです。

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ギリホリでバンクーバー入り、就労ビザを取得。永住権取得と独立を目標に奮闘しています。自然が美しく、自然を大切にするカナダが大好きです。夏はハイキング、冬は大好きなスノーボードを満喫。住み心地のいいバンクーバー、もう離れられません。ブログも更新しています。