自転車を購入しました
メルボルンに到着してもうすぐ一ヶ月が経とうとしている。
生活に慣れ、仕事も始まり、友人も増え楽しくやれている。
最近の大きな変化といえば自転車を購入したこと。
僕の住むサウスヤラからシティまでは自転車で20分。
セントキルダビーチまでも15分。
職場までは10分ということで、基本的な生活は自転車で事足りるようになった。
往復7ドル払って、わざわざシティまで出るのがめんどくさいと感じることも多々あったが、自転車ですぐに行けると思うと気楽に出掛けることが出来るので、随分アクティブになったと思う。
朝は市場まで走って新鮮な食材を買い、仕事終わりにビーチに寄って海を眺めながら考え事をする。
こんな自由気ままな生活も自転車があってこそ。
海外の売買サイト
しかし、自転車を買うまでが大変だった。
DENGON NETや日豪プレスなどの日系の情報・売買サイトで、中古品を買おうとして連絡を取っても全て売り切れているし、そもそも出回る量が少ない。
それならばと、GUMTREEという現地のサイト(日本でいうヤフオクのようなもの)で連絡してみても、なかなか返信が来ないので、とにかく多くの人に連絡をしてみた。
返信率は二割程度だった。
どうやら日本人のように、メッセージ全てに返信をするという文化はないようだ。
しかし、当然だが現地のサイトの方が何千倍と圧倒的に品数が多いうえに、安く手に入る。
何故日本人は日系サイトばかり使うのか
そこで疑問が生まれた。
何故メルボルンに住む日本人は現地のサイトでなく、日系サイトを使うのか?
答えは単純で日本語でのやり取りの方が楽だし安心感があるからだろう。
何を買うにしても、メッセージをして、電話をして、直接会いに行くとなると英語力が必要となる。
特に自転車は、オーストラリアでの生活を始めたばかりの人が欲しがる商品なので、英語に慣れていない人が多い。
仮にGUMTREEを使って連絡をしても英語がおかしければ、売り手のオージーとしても、連絡が煩わしくなり、他の英語が堪能な人間から連絡が来ればそちらに売ってしまう。
実際にメッセージの返信に時間がかかってしまうと返信率は大きく下がった。
そうなると、英語力が一つの大きな壁になる。
更に、売買サイトでのメッセージの送り方というものも、当然初めてなのだからどのような文章を送ればいいか分からない。
そこで、色々な人にメッセージの内容を相談してみたが、ネイティブの友人と英語が堪能な日本人の友人では異なる種類の文章を教えられた。
自分で書いた英文も、英語が堪能な日本人の友人から教えてもらった英文も間違いではなかったが、ネイティブの友人から教えてもらった文章を送信したところ、返信率が倍に上がった。
つまり、単純な英語力のみでなく、文化という面でも壁があった。
いざ商品を見に行っても、ボロボロだったり、壊れていることも多々あった。
短期間の滞在を考えている日本人にとって、高い金額を払って自転車を買おうとは思わないが、安いものというのはやはり欠陥があるのは仕方がない。
しかし、僕は日本で長年自転車競技をやっていたので、大抵のものは直せるし、細かい調整も出来る。
自転車を通してメルボルン生活をより快適に
そこで簡単に答えが出た。
僕がオージーから自転車を買い、修理して日系サイトで売ったらいいじゃないかと。
基本的には相手の自宅まで自転車を確認しにいかなくてはならないが、売り手がシティから電車やトラムでは向かうのが困難な場所に住んでいることも多いので、車が必要となる。
ルートを作成して友人に車を出してもらい、何件か回って買い付ける。
これも、来たばかりの日本人には難しい。
実際に日系サイトに商品を出してみたところ、一晩で20件近い連絡が来た。
そして、日本人に限らず、その国で大きなコミュニティを形成できていない国籍の人達も同様のケースを抱えていることが分かった。
市場が小いので競合すらいないが、存在需要は確実にあるので掘り出せば十分にビジネスが行えるといったところだろう。
留学やワーホリ、海外赴任での短期滞在者が、どのような商品を求めているのかもデータを取れてきたし、このまま中古自転車屋でも始めてしまいたいところだが、そんなことをしに来たわけではないので、人助け程度にちょっとしたビジネスを楽しんでいこうかと思う。
カナダでハンバーガー屋を始めた時もそうだが、海外ということ・短期間の滞在となると出来ることは日本に比べて少なくなってしまう。
しかし、だからこそ、「出来ること」にフォーカスを当てれば、意外なチャンスに気付くことが出来る。
メルボルンは日本と違い、自転車用道路も整備されているし、自動車運転手からの理解も日本より寛容である。
もちろん、自転車があると節約にもなるし、電車やトラムでの移動では気付けない街並みに出会えたりもする。
なにより、気紛れで自転車に乗ってビーチを眺めにいくなんて、なんだか素敵じゃないか。
まさか自分が中古自転車屋みたいなことをやるなんて想像もしていなかったが、空いた時間と趣味を活用し、少しでもメルボルンで生活する日本人の手助けになればと思う。
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