ボローニャのファミリー宅でのAirbnb(エアービーアンドビー)宿泊体験
海外旅行でより現地に密着して楽しみたいなら?
それも短期で体験したいなら?
Airbnb(エアービーアンドビー)で家族宅へ宿泊するのはいかがでしょう?
Airbnbは世界中で利用されている民泊システム。
空いているお部屋、又はアパート一軒丸ごとホストである大家さんが貸出してくれるのです。
1泊から数か月までのホームステイ体験ができます。
貸出し基準となる、宿泊料金、駅までの送迎、キッチンの使用、朝食の有無、タオルの貸出しはホストにより異なります。
私の最初のAirbnb体験はミラノでした。
その時は大人だけの家庭。
私は異なる家庭環境でイタリア生活体験をしたかったので、2回目は子供のいる家庭を選びました。
場所は中世の街が色濃く残るボローニャ。
6年来のイタリア人の友人がボローニャに住んでいることもあり、私にとっては2度目のボローニャでしたが、今まではホテル宿泊。
一般家庭で過ごすことで、異なる体験ができるであろうことにウキウキしたのでした。
ホストとの初対面
Airbnbは、自分が選んだ街のホスト宅がネット上の地図で表示され、ホスト宅が街のどのエリアにあるのか大まかな確認ができます。
私は主要駅から徒歩圏内、中心街を希望し、そこにあてはまる宿泊先を探しました。
そこで今回のボローニャのホスト宅がヒットしました。
宿泊リクエストを送るとホストから数分後に返信が届き、大学生の息子さんからも「息子です!選んでくれてありがとう」というメールが届きました。
とても印象のよい親子で、私は会うのがとても楽しみになっていました。
予約完了時に送られたホスト住所を地図で確認すると、道の名前と数字が出てくるだけで建物名は表示されていません。
「本当にこの住所?」と、駅からホスト宅へ行けるかどうか少し気になりました。
ホストのパオラさんに住所を確認すると、この住所で間違いはないと言い、
『駅まで迎えにいくわ。電車の到着時間を教えて!息子を迎えに行かせるわね。』
とパオラさんの方から言われました。
「あぁなんて有難い!駅まできてくださるなんて!」と、ホッとしました。
到着時の対応もホストにより異なります。
宿泊先となる建物の前で待ち合わせをする、ホスト宅へ直接行く、駅で待ち合わせすると色々です。
ハウスルールに到着時の迎えが記載されていない場合でも、問い合わせることでパオラさんのように駅へ迎えに来てくれる場合もあるので、駅からの移動が不安な時はホストに一度聞いてみるといいかもしれません。
到着の3日前、ホストのパオラさんより連絡があり、息子さんが大学の授業で駅へ行けなくなったため、パオラさんご自身が迎えに来てくださるとのことでした。
駅での待ち合わせ場所と、お互いの容姿を伝えて当日を迎えました。
ボローニャ駅に時間通りに到着。
日本のJRにあたるトレニタリア(TRENITALIA)は、イタリア人の友人達曰く「遅れる!」と評判の鉄道です。
しかし、私は何度も乗っていますが、有難いことに遅れたのはわずか2回だけ。
さて、時間通りに着いたもののパオラさんらしき人がいません。
しばらくするとパオラさんよりメールが来て、私は別の出口に出てしまっていたのでした。
ボローニャ駅は、地下に大きなホームができたり数年前とはだいぶ様子が変わっていたのです。
数分後、パオラさんが私のいる出口へ来てくれて無事に会うことができました。
まずは挨拶のハグ。
『中央出口でね、あなたかと思って何人かに声かけたのよ!』
メールやりとりのイメージと同じく、明るくて太陽のような女性でした。
パオラさんが私のスーツケースを家まで引いてくれて家に到着。
パオラさんの住むマンションは、日本のマンションとは様子が違いました。
日本のように建物名はなく、数字が建物に記載されているだけ。
集合玄関が旧式の大きな鍵を使って開けるタイプでした。
さらに自分の家の玄関の鍵も2つあり、家に入るために2~3つは使うのでした。
日本ではマンションエントランスで暗証番号を打ち込む、または、鍵をかざすことでドアが開きそれぞれのお宅へ行けて、鍵は1つで済むことが殆どですよね。
家に入ると誰もおらず、パオラさんが先に宿泊する部屋、客人専用の浴室、使用できる物の説明してくれました。
すると、息子さんが帰宅され、私は挨拶と簡単な自己紹介をしました。
数分後、既に1か月滞在しているブラジルからの留学生も次いで帰宅。
さっきまで静かだった家の中が急に賑やかに。
早速交流開始です。
ホストファミリー・留学生との交流
息子さんも留学生も語学が堪能で、英語、スペイン語、フランス語など3~4か国語話すとのことでした。
彼ら自身、海外でのホームステイや留学体験者なので、語学に長けていることに納得でした。
私に『英語、イタリア語どっちがいい?』と聞いてきたので、私は『イタリア語で!』と答えました。
イタリアにいるのですから、ここでの会話はイタリア語で。
若い彼らは目的意識がはっきりしていて、「自分が何をしたいか?」、「将来何になりたいか?」、「そのために今学べることを毎日しっかり学び進んでいる」と、ブレていない印象でした。
そんな彼らに出会えたことは、私にとって良い刺激となりました。
私が家に到着した時間はお昼頃でした。
パオラさんが『そろそろ仕事に戻るわね』と一言。
お昼休みを利用して、駅に迎えにきてくれていたのでした。
職場は駅からも自宅からも近い場所で徒歩圏内とのこと。
東京で電車通勤に慣れている私には新鮮でした。
『ゆっくりしてね!わからないことあったら連絡して!』とパオラさん。
すると息子さんが『僕に聞いてもいいからね。何かあれば言って!』
留学生も『僕に言ってもいいよ。もう1か月ここにいるから』
みんなが協力し合って生活している、そんな印象を受けました。
まさに『家族』ですね。
通常ならば、家の鍵を初日に渡されます。
パオラさん宅はいつもAirbnbで1名のみ宿泊対応のようでしたが、この時は3日間だけ私も受け入れてくれたため、2名対応となり鍵が1つ不足。
私は、近所に住むパオラさんの御嬢さんの鍵を借りることになっていたのです。
夕方には受け取れるとのことでした。
パオラさんは仕事に戻り、息子さんは昼食を軽く食べて大学での授業に戻りました。
『行ってくるね!何かわからないことあったら連絡してね!』
大学へは徒歩10分程で行けるとのこと。
ボローニャの中心街に住んでいることもありますが、職場も大学も徒歩圏内なのは生活する上でとても便利ですよね。
ボローニャという街が大きすぎず小さすぎず、程よい大きさだからなのかもしれません。
実際、人もオープンマインドで居心地が良い街でした。
留学生から『お腹空いてない?パスタ作るからさ、食べなよ!』と言われ、彼が茹でてくれたのは、詰め物パスタの一つであるトルテリーニ。
茹でながら、冷蔵庫を開けて生ハムを出し、『これ僕のだから食べていいよ。』と。
イタリアの生ハムは私も大好きです。
現地スーパーでスライスされたばかりの生ハムの美味しいこと!
『もうちょっとでできるから待って。』
茹であがったトルテリーニに、『僕はトマトソースじゃなくてオリーブオイルをかけるだけ。十分美味しいんだ!』
オリーブオイルをかけたパスタに、チーズも削って乗せてくれました。
『食べて!』
このシンプルな調理法が本当に美味しい!
素材の良さがダイレクトに伝わります。
ボローニャ最初のランチは、心温まるお手製ランチとなりました。
こういうこともホテルに滞在していたら体験できないこと。
彼らの生活の中に入らせてもらう貴重な機会ですね。
既に1か月滞在している彼は、
『本当に優しくて良い親子だよ。たぶんボローニャで一番良い人なんじゃない?』
『パオラさんはお友達が多くていつも誰か遊びにきてるから、君も友達できるんじゃない?』
と話してくれました。
Airbnbはネットの検索でのご縁です。
今回も素敵な家庭へ来れたことに感謝でした。
イタリア一般家庭の過ごし方
ランチ後、留学生も街へ出掛け、私は少しの間一人になりました。
夕方まで鍵がないので家から出れず、しばらく休憩することに。
滞在初日に家で一人の時間があるとは思っていなかったので、家族の中で私がお留守番しているようで面白かったです。
1時間少々すると留学生が帰宅したので、鍵を借りて私は街の散策に行くことにしました。
家を出てドアを閉め下へ降り、マンションの集合玄関を出ようとしたらドアが開きません。
鍵がかかったままで開かないのです。
「何かあったら言ってね」の何かは早速起きて、家に戻り留学生に『集合玄関のドアが開かないよ、どうして?』と聞きました。
これもまた日本とは違い、集合玄関脇のボタンを押すのだそう。
建物の仕様が日本とは異なるので、鍵、ドアの開閉について確認しておいた方がいいですね。
朝食はパオラさんが出勤前に毎朝準備をしてくれました。
これもイタリアの一般家庭生活を体験できる醍醐味です。
愛情たっぷりのカプチーノにはハートを毎回書いてくれて心遣いが嬉しかったです。
ファッションも素敵で、いつもきれいにされているお母さんでした。
滞在中、みんなの過ごし方を見ていると、息子さん、留学生の二人は、毎日仕事で忙しいパオラさんをサポートするように、それぞれ自分で手際よく食事を作り片づけをしていました。
『いいよ、僕洗うから食器置いていって。』と自然に助け合い、家を出る時は、それぞれが『仕事行ってくるね。』『大学行ってくる。』『走りにいってくる。』
家に戻ると『ただいま!』『今日はどうだった?』『またすぐ出掛けるよ。』と必ず声をかけ、本当の家族のようでした。
彼らは無意識かもしれませんが、会話とお互いの関係性がとても良いバランスで保たれているのを感じました。
ボローニャは見どころ満載な街で、私は地図を片手に毎日博物館、美術館へ足を運びました。
見ごたえのある博物館の数々に時間を費やすのも、ちょっと贅沢な時間です。
日本にいると普段の生活が忙しくて毎日をこなすだけで精いっぱいですから。
散策して疲れたら、ジェラート食べて休憩し、街中をとにかく歩き、行きたい場所にはすぐに行き、イタリアを目一杯楽しみ感じる日々にしました。
美術館から帰宅すると息子さんが『お帰り!今日は何したの?』と話しかけてくれ、そこでも会話が始まります。
ステキなリビングもあるのですが、不思議とみんなが集まって話をするのはキッチン。
朝、朝食とっていると“Buongiorno”と息子さんや留学生が時間差でキッチンに顔をだし、パオラさんは仕事へ。
お昼頃には息子さんが戻り自分で食事を作り、留学生と私もそれぞれ食事を準備。
午後は何をする、夜はどこへ行くと会話の中心場所は皆が集まるキッチン。
『家族』らしい雰囲気だなぁと微笑ましい気持ちになりました。
滞在二日目の夜、私は友人との食事を終えて帰宅すると、キッチンでパオラさんが笑顔で迎えてくれました。
息子さんは『Ciao!今からバイトなんだ』と出掛け、留学生はブラジルにいる時から習っている武術の道場へ出掛けました。
パオラさんのお宅は朝から出入りが何度もある忙しい家。
大学生の息子さんのいる家庭は、大人だけの家の中とは動きが全く違いますね。
日本好きから学ぶ日本の良さ
滞在3日目の夜は、パオラさんのお友達家族が来て、キッチンでディナーをされていました。
『あなたに紹介するわ。彼女も日本が好きなのよ』
お友達家族のお嬢さんはアニメが好きで、私が日本人と聞いてとても喜び、『いつか日本に行きたい!』と目をキラキラ輝かせていました。
日本が好きという人に何人か会いましたが、日本人が忘れている文化、気遣い、古き良き建物に惹かれているようでした。
Airbnbで社交的で思いやりのある家庭に滞在したことで、私も改めて『日本人である自分』が日本が好きという人達に対して、「何かしてあげられることはないだろうか?」、「もっと日本のことを伝えられることはないだろうか?」と考えるきっかけになりました。
同時に私自身も日本の良さをもっと見つけたくなりました。
イタリア家庭を感じられたAirbnb滞在
翌朝、いよいよお別れの時です。
私は11時に家を出ることをホストのパオラさんと息子さんに伝えていました。
パオラさんはこの日も朝食のカプチーノにハート模様を描いてくれました。
『もしかしたらお昼に一度戻るから会えるかもしれないけど』と言いながらも念のためと、お別れのハグをして、私は素敵なファミリーとの滞在にお礼を伝えました。
そして、オーブントースターの使い方を聞いて、好みの焼き加減にしたり、気分によって沢山あるジャムから「今日はこれ」と選んだり、留学生から『テレビ見ていいんだよ。』と言われキッチンで一緒に見たり、自分の家のように自由に過ごさせてもらいました。
朝食後は最後の散歩に出掛けました。
とても天気がよく、空気も清々しい朝でした。
少し小高い丘になっている駅近くの公園へ行き、ボローニャの街を見下ろしました。
お別れがとても名残惜しい!
家までの帰り道も、「こういうカフェあったんだ」「この店何だろう?」とアーケードの中を興味深く見ながら、最後の散策を楽しみました。
集合玄関のドアの鍵を開けて入り、更に家の鍵も開けて家の中に入ると、息子さんがキッチンにいました。
私は彼にパオラさんにも伝えたように、思いやり溢れる素敵なファミリーに出会えたことが嬉しく、お礼を伝えました。
彼も『うちに来てくれてありがとう!またいつでも連絡してきてね。』と言ってくれました。
私は彼に鍵を返し、これでAirbnbも終了となりました。
家のドアを開けると、なんとパオラさんがいたのです!
最後の最後にまた会えました!
二人で大喜びしながら再びハグ。
なんて嬉しいタイミングなんでしょう。
その後エレベーターで下へ。
初日にドアの脇ボタンを知らず、外へ出れなかった集合玄関を前にして、『出られないよー、どうするの?』と言った自分を思いだしクスッと笑いました。
駅へ向かう道のりは少し寂しかったけれど、当初の目的であった『イタリアでの家庭』を感じるご家族宅でのAirbnb滞在に、感謝した旅でした。
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