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ボスニアヘルツェゴビナの世界遺産のある町モスタルでの出来事

ボスニアヘルツェゴビナの世界遺産のある町モスタルでの出来事

ボスニアヘルツェゴビナの世界遺産のある町モスタルでの出来事だ。

朝、散歩に出掛けた。

20年前に内戦があり、様々な所に銃の後や爆撃の跡が残っているが、世界遺産である橋の周りは綺麗に整備されていた。 寒かったが、空はとてもスカッとした青空で、遠くで山々がキレイに見えた。

そんな爽やかな朝の散歩だったが、宿に戻ってくると鍵が開かない。何度も鍵を回してみても開かない。インターホンを鳴らしてみるが、壊れているのか反応せず、ドアをえらい勢いで叩いても皆寝ているのか、誰も出てきてくれなかった。

野良猫がえらく人懐っこくまとわりつくが、自分に余裕がないので、邪魔だとしか思えなかった。ドアの下を覗いて、入れないだろうかと考えてみるが、無理そうだった。

その時、猫が背中に乗ってきた。「うわっ!」と声をあげてビックリした。

この猫に手紙を付けて、ドアの下に潜って貰ったらいいのではないか、と考えていたら猫が何処かに行ってしまった。

どうしよう、と考えたが、どうしようもない。Ipadは持っているけど、wifiがないから電話がかけられない。仕方がないので何処かで電話を借りようと大きな通りに出て、額縁屋さんに入った。

宿で貰った地図に書かれてある名前と電話番号を見せて、ドアが開かないのと電話を掛けたい事を繰り返し言ったら分かってくれたようで、額縁屋さんが、電話を掛けてくれた。

しかし寝ているようで繋がらない。すると店の鍵をかけて一緒に宿まで行ってくれた。

額縁屋さんは簡単に鍵を開けてくれた。反対に鍵を回すだけだったからだ。

笑顔で店に帰って行った。

私は、バツが悪かったが、猫にも額縁屋さんにも会えたし良かったかなと思った。

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KOSHINO
39歳で仕事を辞め、だいたい三か月ほどバックパッカーでアジア、ヨーロッパを巡る。帰国後、再就職し、仕事のシフトを調節しながらアジアを旅している。