ドイツと日本の労働環境の違い
今回は、ドイツ人の就業方法について面白いと思う点がありましたので、ご紹介していきます。
日本との違いがよくわかるのが、以下の3点です。
①仕事の時間が終了したら、定刻通りに家に帰宅すること。
②体調不良の際は、臨時で休暇をもらえます。(場合によっては、1週間程休めます)
③有給休暇の消化率が高く、平均すると年間14日~30日は休むことができます。(社員、公務員の違いも含む)
①仕事の時間が終了したら、定刻通りに家に帰宅する
基本的にドイツ人は、仕事と家(プライベート)をしっかり分けている人が多い気がします。
仕事は、お金を稼ぐ為に行く所、家は、自分の趣味をしたり、家族と過ごす大切な場所として、境界線がはっきりしています。
ドイツでは、就業時間が終了したら、家にすぐ帰宅する人が多いです。
では、なぜ家に直帰する人が多いのか?
理由として考えられるのが、ドイツの労働法です。
ドイツの労働法では、管理職でない社員を1日当たり10時間を超えて働かせることはドイツの法律上で禁止されています。
そのため、自分の仕事を終えた人は、時間通りに帰宅するのでは?と考えられます。
さらには、日本であるような、会社の付き合いで、仕事後に同僚達と一緒に飲みに行くとかはありません。
今でこそ、日本でも少なくなってきているのかもしれませんが、まだ少なからず、嫌々仕事場の上司や先輩との付き合いで飲みに参加している方もいそうです。
ドイツでは、会社の上司や先輩と飲みに行くことは少なく、付き合いでお金を無駄に散財しないで済むため、日本に比べると楽です。
②体調不良の際は、臨時で休暇をもらえる
もし、急に病気にかかってしまったら、ドイツにおきましては、一週間程休むのは、普通です。
もちろんその際に、ホームドクター(Hasu Arzt)に行って、お医者さんから「何日まで休んでもいい。」という証明書(Ärztliches Attest)をもらい、休暇明けの出勤日に会社に提出する義務があります。
日本で、もし、急に休むことが必要となった場合は、本当に事故やインフルエンザなどにならない限り、休むことが難しいなと感じることが多々あります。
一日でも急に休むなら、厳しい職場の場合、一緒に働く同僚や先輩、上司から怒られるような気がします。
「今日は、休みます。」という電話をかけることでさえ、日本では、気が引けます・・・。
日本では、熱でも仕事に出勤するという話は周りでもよく聞きます。
正直、仕事の効率がいいことでは無いですし、周りに病気をうつす可能性もありますので、あまり好みません。
もう少し日本の就業方法が緩くなり、上司や同僚などが休む人に対しても、穏和な態度で接することができるのなら、日本の人々が働きやすくなると感じる所でもあります。
ドイツでは、本当の病気で休んだ場合は、医者の証明書提出により休めますが、急に休むことをあまりにやり過ぎてしまうと、【解雇の対象】になることも考えられますので、注意が必要です。
やはり、健康であることは、仕事において自己管理として大切ですし、日本もドイツも同じです。
実際に、夫の職場の女性で、有給休暇以外で休みが多かった為、クビになった方の話も聞いたことがあります。
そういう点は、二か国の間では、共通していると思いました。
③有給休暇の消化率が高く、平均すると年間14日~30日は休むことができる
ドイツの有給休暇の消化率は、とても高いと感じます。
日本では、有給は年間で1週間程しか使用しないケースが多いのではないでしょうか?
仮に有給をもらえたとしても、自分の分まで働いてくれる同僚達に気を遣い、思う存分楽しめない・・・というケースもある様な気がします。
でも、ドイツだと同僚達はそれぞれ有給をもらっていますし、有給休暇をしている人に対して、わざわざひがみや妬みなども持つことは、少ないです。
そういう点は、本当にドイツの良い所だと思います。
あるデータ(2010年・世界銀行調査) によりますと、ドイツ人の労働時間は、日本より18%短いのですが、国民1人当たりのドイツのGDPは、4万3110ドルで日本を3%上回ります。
また、OECDによると、2011年のドイツの労働生産性(1時間当たりの国内総生産)は55.5ドルで、日本の39.8ドルを39%も上回っています。
こういった労働生産性が日本より高い所や、ドイツの労働法をふまえますと、働く人々にとって、ドイツの方が配慮されていると感じます。
今後、日本でも労働方法について、色々見直される機会が増えることを願います。
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