Airbnb(エアービーアンドビー)とは
このところ雑誌、ニュース等で話題のAirbnb(エアービーアンドビー)。
耳にした方は多いのではないでしょうか?
「Airbnbって何?」という方へ。
一言でいうと一般家庭に支払いをして泊めてもらうシステム。
ホームステイのような感覚ですね。
部屋の貸出人となるホストが、家の空室を一般に貸出しするのです。
二人部屋、一人部屋、デザイナーズマンションのようなきれいな部屋、ホストによってはアパートを一軒丸ごと貸出す人もいます。
部屋の設備もホストにより異なります。
朝食付き、エアコン有無、エレベーター有無、タオル貸出し、キッチン付、バス付など。
滞在日数は、1~2泊という短期から、1週間、1か月から半年と月単位で、ホストにより借りられる日数と価格はまちまちです。
Airbnbはネット上で会員登録するだけで世界中の街の部屋を検索し、予約することができます。
現地の人と積極的に触れ合いたい場合は、Airbnbで家族のいる家でホームステイ体験を気軽にすることができるでしょう。
ホテルや友達の家に泊めてもらうのとはまた異なる楽しみ方ができます。
私もミラノとボローニャでAirbnbを通じて数日間の宿泊をしました。
感じたのはやはり滞在先となる国の言語、もしくは英語が流暢でなくとも、話せる方が絶対的によいということ。
実際の宿泊迄に何度かメールでやりとりをしますし、現地到着してからも家が見つからない時はホストに連絡をしますので、言葉は大事です。
もちろん話せなくても借りることはできますが、片言でもできた方がコミュニケーションとる上でかなりスムーズです。
ミラノでの宿泊先
私の初Airbnbはミラノでした。
この宿泊先は、振り返ると本当に導かれたようでした。
マルペンサ空港使用のため到着日と帰国前日はミラノ宿泊を決めていました。
当初ホテルを予約していましたが、到着日と帰国前日に宿泊予定のホテル(同一ホテルです)が何となくひっかかり、到着日のホテル宿泊を取り止め、Airbnbで一般家庭に泊まることにしたのです。
今思えば、この決断が旅の展開に左右するとは、この時は思わずにいました。
日本出発日、フライトの関係で4時起床。
念のためメールチェックをすると、1か月以上前に予約した、帰国前日に宿泊予定のミラノのホテルから、「カード認証できないため予約をキャンセルします」というメールが届いていたのです。
そのホテルは、何となく良い感じがしなくて宿泊を取り止めたミラノ到着日のホテルと同じホテルでした。
私はカード認証で引っ掛ったことなどありませんから、「何かの間違いだろう」と認証番号を予約システムへ再入力し、空港へと向かいました。
空港到着時、念のためメールチェックをすると、またあのホテルから「認証できません」「予約サイト上では予約はまだ有効ですが、ホテル側から一方的にキャンセルされる場合があります」というメールが届いているではありませんか!
なぜ認証されないのか意味不明でしたし、旅の最終日に泊まるところがない?と不安がよぎりました。
当時、EXPOの時期でミラノ市内の1万円前後のお手頃ホテルは満室。
予約が有効か否かわからずに日本出発することに。
私はミラノで直接予約を確かめることにしました。
乗り換えを経て、ミラノ・マルペンサ空港へ到着。
空港勤務のイタリア人友達とも無事に再会を済ませ、市内のホスト宅へと移動を始めました。
Airbnbは予約成立時にホストの住所が知らされます。
事前にホスト宅を地図で確認した際、駅から徒歩12分少々でしたが、荷物も重く、最寄駅から夜21時近く暗い中マンションを見つけられるのか今一つ不安でした。
日本のようにミラノは街灯が明るくありませんからね。
事前のやりとりでホスト曰く、
「駅から近いしわかりやすいから。家の前に来てベルならすだけ」
「アパートの前に立って待っていることもできるよ」
そうは言っても、日本では住所を頼りに行ってもマンション名や部屋番号がわからないとブザーさえ鳴らせません。
後でわかりましたが、部屋番号がなくても本当に住所と通り名さえ間違っていなければ、イタリアでは家に辿り着くのです。
ホストによっては駅まで迎えに来てくれる場合もありますが、今回のミラノのホストは自宅待機でした。
ホスト宅のあるエリアは閑静な住宅街で治安もよい場所。
駅近くとはいえ薄暗い街灯の中、地図を片手に通り(via~と道の名前が建物に記載されている)を確認しながら、トランクを引いて歩くのは簡単ではありません。
ホスト宅の通り名が記載されている道を見つけ、「良かった!」と思ったのもつかの間。
通りの左側を道なりに歩くと、ホスト宅のマンションの番号がないのです。
「あれ?通りは合ってるよね?」
もう一度戻りながら建物の番号を見直すと、左側マンションは奇数ばかりが記載されていました。
と、言うことは?もしや右側が偶数?
今度は右側だけを見て歩いていくと、ホスト宅マンションがようやく見つかりました。
しかし、マンション在住者の名前にホストの名前がみつかりません。
困ったなと思い、道を歩いていたご婦人に、住所と名前を見てもらいましたが、やはり見つからず。
その後、通りかかった男性も私の様子から、「どうしたの?大丈夫?」と声をかけてくれましたがやはり見つからず。
自分で名前を見つけてブザーを押したかったのですが、先ほどのご婦人達が「電話した方がいいよ」、「ここまできたら電話するしかないわ」と言うので、電話するとホストがマンションの下に降りてきてくれてようやく家に入れました。
イタリア語が話せてよかったとしみじみ思った瞬間でした。
駅からタクシーに乗っていれれば簡単に着いたでしょうけれど、実際の生活体験をしたかったので、あえて自分で移動をしたのでした。
ホストと宿泊客との会話
ホスト宅は広くてどのお部屋もきれいで居心地の良い空間でした。
私が借りた部屋以外にも2部屋貸しているとのことで、お家の中を案内してくれました。
バスルーム、シャワールーム、キッチン、リビングと説明を受けた後、ホストと自己紹介をかねて今回の旅についてリビングで話をしました。
この日は、ホストのお兄さんジーノさんが南イタリアのサレルノからいらしていて、とても明るい方でした。
こんな風に現地の人と会話して過ごせるのはAirbnbの良さかもしれませんね。
翌朝、リビングでホストと話をしていると、”Good morning”ともう一人の宿泊客であるドイツ人ステファンもやってきて、会話に加わりました。
彼は「英語あんまり話せないんだ。」と言い、タブレットの翻訳機を使ってドイツ語→英語に訳して、話してきました。
そこへジーノさん登場。
”Buongiorno! Come stai?”とステファンに話しかけたので、
ジーノさんに”Lui parla italiano?(彼はイタリア語を話すの)”と聞くと、”No. non parla(いいや、彼は話さないよ)”とあっさり言うのでおかしくて笑ってしまいました。
ステファンとジーノさん、この二人の会話がとても面白いのです。
ステファンはドイツ語だけ、ジーノさんはイタリア語だけなのに、通じているのです!
ジーノさんが”Cosa hai fatto ieri?(昨日何したの?)”と聞くと、ステファンは何を言われているのかわかるらしく、ドイツ語で答えながらタブレットを取り出し、前日外出先で撮った写真を見せて、説明するのです。
それに対してジーノさんはイタリア語で話しかけ、またステファンはドイツ語で答えるという(笑)
なんとなく会話が通じている二人!!
私からみんなに「記念に一緒に写真を撮りましょう!」と提案すると、そこからは陽気なヨーロピアン達、ポーズをとり、大笑いしながら皆で写真大会になりました。
しばらくし、家の前の通りから物音がして外を見ると、沢山の屋台が突然出ているではありませんか。
ジーノさん曰く、毎週金曜日の朝にこの住宅街の通りへ屋台が出て朝市をするとか。
これは行かなくっちゃ!
でも、その前に私は例のホテルへ宿泊予約の確認へ行かなくては。
仕事へ出かけるホストが、
「僕はそろそろ仕事へ行くけど、君はミラノにまだいる?もしミラノで何かあったら遠慮しないで言うんだよ。」
旅の最終日のホテル予約のことが浮かび、ホストに簡単に説明をしました。
「そう、予約が無事にできているといいね。でも何かあったら言ってね!」
通常ならこれで鍵を返しAirbnb宿泊は終了です。
ホテルのトラブル
ホストと話した後、例のホテルへ予約確認のため地図を片手に出掛けました。
ミラノ中央駅から歩いてすぐのホテルですが、看板が見当たりません。
よく見ると、マンションの住人の名前が書かれているところにホテル名が。
ホテルのエントランスはなく、一般のマンションの1階をホテルにしているようでした。
一見してホテルとは、わかりにくい。
内心、到着日にここに泊まらなくて良かったと思いました。
ブザーを鳴らし鍵が開いて中へ入りましたが、フロントがわかりません。
たまたまビル内を掃除していた女性に、ホテルのフロントを聞いて見つけることができました。
薄暗くていい感じがしません。
「ここ、泊まりたくないな」そう思いました。
フロントでカード認証の件を説明し、私の予約が有効なのか否か確認を伝えると、
「もうキャンセルされているよ。もし泊まりたいなら予約し直しで100€(ユーロ)だよ」
以前より40€高い値段に変更となっていました。
正直言って日本ならば素泊まりで4000円前後のようなホテルに見えました。
ミラノのホテル代が高いとはいえ、100€払う価値があるとは思えないホテル。
「どうする?予約する?」
私は予約せず帰りました。
帰り道、不安に駆りたてられました。
始まったばかりのイタリア旅で、最終日のホテルがない!
この時期、 EXPO時期でミラノは満室で、当日何とかなるでしょという雰囲気ではありませんでした。
ホテル予約のサイトへアクセスし検索するも、予約可能なホテルは1泊3~4万、または7万円というホテルしかありません。
「どうしよう...そうだ!」私は今朝まで宿泊していたAirbnbホストへすぐ連絡し、事情を説明しました。
すると、すぐメールの返信が届き「その日は空いている部屋があるから、そこでよければいらっしゃい」
良かった!!!安心感でいっぱいになりました。
しかもお値段は、あの薄暗いホテルの約3分の1でいいと言うではありませんか!
私は感謝で「その日予約します。お願いします。」と即答しました。
ホストは「また君をおもてなしできるなんて嬉しいよ!」
ミラノ初日にこの家に予約したのが、本当にすごい仕組みだったと思わずにいられませんでした。
再びミラノへ。ホストファミリーとの素敵な思い出
ホテルからの帰り道、住宅街に出ていた屋台を見て、荷物を取りに戻ると、お兄さんのジーノさんがいました。
また泊めていただくことになったと話すと、ジーノさんは「また来てくれるんだね!嬉しいよー!」
本当に良いファミリーに出会えて、良かった!と胸が熱くなりました。
私はミラノを後にし、他の街から街へと移動し旅を続けました。
その間もホストから時々メールがあり「元気?旅を楽しんでる?」と、家族のように親身になってくれて、そんな気持ちがありがたかったです。
そうして再びミラノへ到着。
今度は、駅からの移動も慣れたものです。
ウキウキしながら、道を歩きマンションに到着。
もう迷ったりしません。
家の前にいくと、ホストがドアをあけて立って待っていてくれました!
”A casa!!”(家だよ!)
嬉しかったですね!
さらに、「明日は湖に行くんだよ。そこで皆でランチをして帰ってくるんだ。君も行くかい?」
なんて嬉しいお誘いなんでしょう!
私の翌日のフライトは夜だったので、日中はコモ湖へご一緒させていただくことにしました。
実は、別な予定を入れようかと思っていたのですが、あえて何もいれずフリーにしていたのです。
それが、このような小さな旅へご一緒させていただくことになるとは!
日本出発の朝、ミラノ最終日のホテル予約がまさかの突然キャンセル。
どうするの私?!と不安に思いながらの出発でしたが、Airbnbでこのホスト宅に旅の初日に宿泊したご縁で、こんなに楽しい最終日に繋がるとは思いもしませんでした。
滞在先ホストによって体験することは異なりますが、私の場合は初めてのAirbnb体験がとても良い方に出会えたことで、忘れられないミラノでの思い出となりました。
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