メキシコの日系企業で働いています
こんにちは。
メキシコで働き始めてちょうど一年、毎日残業でヘトヘト、でも充実して楽しい生活を送っています、ニイナです。
前回ご説明の通り昨年夏に転職をしたのですが、その新しい勤務先で最近新しく立ち上がった部署に異動になり、どんどん仕事が増えて、毎日てんてこまいです。
勤務先に限らず、今はメキシコのバヒオ地区(中央高原地域)は日系企業の進出ラッシュがまだまだ続いていて、本当に人材が足りません。
おそらくトヨタの工場と関連企業の進出、それが落ち着くまでの数年後までは、人材不足=売り手市場の就職バブルが続くのではないでしょうか。
人材が足りないと言っても正確に言うと、メキシコ人含め日系企業が求める人材が足りません。
足りないので、やっぱり日本人がいいね、となります。
メキシコでもアニメやJ−popの影響で、日本語を覚えて通訳として働くメキシコ人も多く、彼らが高い能力でなくてもある程度のコミュニケーションがとれれば、もしくは社内公用語を英語にするかすれば、日本人の通訳はそんなに必要ではないはずです。
そもそもメキシコ人だけで緻密な計算が必要とされる仕事や先を読んだ働きができれば、通訳以外の事務仕事にも日本人を置く必要がないので、こんなに就職バブルな状態にはならないでしょう。
海外では日本人は評価されやすい
それではなぜ日本人が必要とされるのか。
日系の現地企業では、語学力よりは日本人が長けている気遣いと、社会経験で培われる先を読んで行動する力が必要だからです。
それを私は日本人力と呼んでいますが。
日本で社会人経験があるだけで、もう大きなPRになります。
よく、日本でちゃんとした(って、なんだ?とも思いますが)会社でのオフィス勤務の経験は無いから・・・と足踏みしている方から、本当に多くのご相談をいただきます。
しかし、どんな立場や業界でも一年も同じところで働いていれば、何かしらの人や仕事をマネージングしたりコーディネートした経験があるのではないでしょうか。
それも立派な経験だし、日本人がそこで毎日普通にやっている「ちょっとした改善」を、メキシコ人は普通にこなすことが苦手だったりします。
だから、日本人が必要なのです。
なので、少しでも海外で働くことについて迷っている方はぜひ一度行ってみてほしいな、と思います。
まずは日本の企業で経験を積んでから
ただ、そう思うのと同時に日本の大学を卒業する学生さんに関しては二つの相反する気持ちがあります。(海外での就職を目指して海外の大学に入学、卒業した方は別ですが。)
どんどん外に出たらいいよー、と応援したい気持ちともう一つ真逆に。
日本での新卒特権を活かして日本で一度就職して、会社のお金で育ててもらって社会というものを少しは知ってからの方が、いいんじゃないかなー、とも思うのです。
その方が時間とお金がお得な気がするのは、以下の理由によります。
海外の企業や日系の現地法人の会社では日本のように新卒枠もなければ、給料を払いながら研修を受けさせることもありません。
日本のように黙っていても誰かがなんとかしてくれるようなことも無いので、すべて自分でなんとかしないといけませんが、その労力に割く時間がかなり大きいです。
また、有名大学卒業であろうとも、即戦力以外は給料も安いです。
仮に欲しいと交渉した金額をもらえても、それに見合う能力が無いとなれば、クビを切るのも早いです。
それに正直、日本国内ほどに新卒を育てる環境も予算も海外拠点にはないことがほとんどだと思いますので、入る側としても将来的に大きな成長が見込めないかなぁ、と思います。
その後になって日本に戻って社会経験を積もうと思っても、その時には新卒ブランドはありませんから、就職も難しければ、入社しても新卒として働くのではなく即戦力であることを期待されるのではないでしょうか。
こういったことから、学生さんたちはぜひ一度、日系企業への就職にトライしてみて、お得に経験を積んでから(?)海外に働きに行ってもいいんじゃないかな、と思っています。
転職するために行った具体的な方法
さて、前置きが長くなりましたが。
前回ご説明した通り、履歴書を作成して商工会議所に送付したのが最初の一歩でした。
商工会議所に送った以外に私が実践した主な就職活動は以下の通りです。
1.会う人全てに、海外転職活動中であることを話す
2. 海外拠点のある日系の人材斡旋会社に登録
3. 日本の転職サイトの経歴更新と確認
4. ハローワークのサイトを確認
「1.会う人全てに、海外転職活動中であることを話す」については、なんだそれ、と思われる方も多いと思いますが、侮ることなかれ。
これを日本にいる時からやっていると、向こうからチャンスがやってくる確率がぐんと上がるはずです。
中南米では日本人を欲しがる求人はたくさんあり、その割に日本人コミュニティは小さいので、人の情報もすぐ回ります。
特に私がいたグアテマラなどは、語学学校が多く、中南米を旅行する人が通過することが多いので、情報が集まりやすく拡散もしやすかったと思います。
そこで知り合った方々に「私、転職活動しにラテンに来ました〜」と言うと、どうやるの?と興味を持ってもいただけたし、逆に◯◯が今日本人が増えて日本語話せる人が必要らしいよ、なんて情報もいただけたからです。
外国人の友達や現地の友達(他の語学学校の先生など)にもどんどん言って、その友達の友達に私のことを知ってもらったら?その人の家族が日本人を探していたら??当然、チャンスが増えますよね。
そういう気持ちもあって、それと自分のアイデンティティというか、何をしにラテンへ来たのか、という説明で、転職活動中であることを宣伝することはけっこう有効な就職活動の一つだと思います。
ちなみにこれは「2.海外拠点のある日系の人材斡旋会社に登録」にもつながる話なのですが、海外転職します、と周囲に言うことは日本にいる時から出来る転職活動の一つだと思います。
実は2.については、日本にいる時にやった、本当の意味での海外転職活動のスタートだったのですが。
日本にいる時にメキシコの商工会議所に履歴書を送れなかったのは、スペイン語を知らないし、もし面接とかになっても海外との面接とかどうやってやるんだろう、など未知の世界にビビっていたからです。
そんな私が海外の人材斡旋会社の人にコンタクトをとって面接して登録して・・・って当時の私にはなかなか高いハードルでした。
しかし日本にいる時から声高に「ラテンアメリカで転職したい」と、友人や周りの人には言っていました。
その中の一人で海外に住んでいる日本人の友人が、ある時、仕事で知り合った方に私のことをふと話したら、その方が偶然、海外に拠点を置く人材斡旋会社で働いており、「へー、そんな人いるんだ。今度メキシコにも支店ができたから、良かったら私に連絡ちょうだい」と言ってくださったのがきっかけで、「2.海外拠点のある日系の人材斡旋会社に登録」につながりました。
こうして日本にいる時に、スペイン語の履歴書などもないまま、スカイプでその方がご紹介してくださった、メキシコ支店の方と面接し、現在の給料の相場などを知ることができました。
そこでやはりまずはスペイン語の勉強が必要だね、というわけでグアテマラで勉強していたのでした。
また留学中にも、一度スカイプで面接し、改めて希望などをお伝えするとともに、現在はどんな仕事があるかの求人市場の状況、自分の今のレベルではどんな仕事を紹介してもらえるか、といった確認ができました。
この人材斡旋会社さんからは、昨年のメキシコ内での転職の際にも自分の希望に見合ったオファーを紹介していただきましたし、本当にこれは有効な手段だと思います。
海外希望でも、転職活動の基本は同じ
「3. 日本の転職サイトの経歴更新と確認」「4. ハローワークのサイトを確認」に関しては日本と同じように、ただ希望勤務地を海外にして探す、というのが違うだけで、職探しの基本かな、と思ったのでやりました。
これもけっこう有効みたいで、グアテマラに留学中に私の経歴に興味を持ったアメリカ人から英語で深夜3時頃に面接オファーの連絡が来た時にはびっくりしました。(私が海外にいることを知らなかったので、向こうも、え?これ海外発信なの?とびっくりしてました/笑)
今でも、昔いた不動産業にはやはり興味があるので、オープンにしているとちょいちょいオファーをいただきます。
中には全く違う業界の日本勤務で海外部の仕事、とか。
それでもいいんです。どこで何のご縁があるかわかりませんから。
LinkedInなど、SNSサービスを利用する方法も
そういえば、LinkedInという企業を検索軸にして人がつながるようなSNSサービスがあるのですが、そういったものも有効かもしれません。
かなり以前に興味本位で参加してそのまま放置していたのですが、在住をメキシコにしておいたら、日系の大企業のメキシコ支店からそのツール経由で連絡が来たこともありました。
ともかくそういった就職活動準備をして、実際にスペイン語力が初心者の私に興味を持って連絡をいただいた企業数は、メキシコ内だけでも当時(2014年秋)で4社くらいありました。
その中には、旅行でグアテマラから隣の国のベリーズにバスで向かっている最中に、英語とスペイン語で突然電話がかかってきたことも。
まったく話せず撃沈しましたが、自分の第一志望の業界の日本ではトップクラスの企業だったので、そういったところから連絡をいただいたことは、社会人としての経験が認められたような気になって嬉しかったし、そこで働く妄想をどんどん膨らませていました(笑)
昨年夏のメキシコ内での転職活動では、最初の時と同じような活動をしました(商工会議所への履歴書送付と「2. 海外拠点のある日系の人材斡旋会社に登録」だけ)。
商工会議所で私の履歴書がオープンになってしばらくは毎日のようにオファーの電話、メールがあり、他にも先に説明しました人材斡旋会社経由など全部を含めると、メキシコ国内からの面接オファーは1ヶ月くらいの間に10社以上ありました。
こうしたことを経て、メキシコで働き始めることと相成ったのですが、メキシコならではの、日系企業ならではの苦労話(?)はまた次回。
- メキシコでの就職活動と企業選び - 2016年5月26日
- メキシコ企業へ転職するためにやるべき具体的な方法 - 2016年3月17日
- 仕事を探すためにグアテマラの語学学校でスペイン語を勉強 - 2015年11月11日
- 私がスペイン語圏へ転職した理由 - 2015年6月18日