カナダの首都、オタワ生活の知られざる魅力。
皆さん、初めまして☆オタワの天使と申します。
私がカナダの首都オタワに舞い降りたのは2017年5月。単身留学の目的でカナダ東海岸の静かなこの街に暮らし始めました。
国会議事堂があること以外、何も知らず、何も期待せず住み始めたこの街、4年の月日を過ごす間に、いつの間にか私の夢の街となっていました。
そんな夢の街オタワでの暮らしに、今日は皆さんを少しの間ご案内したく思います。
皆さん、「オタワ」ときいて、何を思い浮かべますか?カナダの首都・・・他には?
もし、他に何も思い浮かばなかったとしても、大丈夫、自分を責めたりしないでください。
私自身、初めてオタワに来たときは、一体何をイメージしたらいいのかさっぱり分かりませんでした。
唯一、「オタワ」という名前はどこか日本語のようで親しみが湧き、心がときめいたのを覚えていますけれど。
オタワはかの有名なトロントから北東へ車で約5時間のところにあり、日本でいうと、ちょうど東京から仙台へ行くような感じです。
街のサイズもちょうど仙台と似ていて、人口100万の都市です。日本から行くときは、トロントへ直行便で飛び、入国審査を終えた後そこから国内便に乗り継いでオタワへ向かいます。
飛行機がオタワに向かって降りていくとき、眼下には広大な畑の景色が広がり、さらに降りていくと、ようやく街の景色が近づいてきます。
その街を横切って悠々と流れているのがオタワ川。実はこのオタワ川はオンタリオ州とケベック州の州境でもあります。
川を隔てた対岸の街はガティノー市 (Gatineau)という、フランス語圏の街です。こんな土地柄、オタワでは完全英語圏のトロントと違って、人々の間で英語とフランス語が両方、等しい割合で尊重されています。
道路標識も音声案内も必ず英語とフランス語両方あり、英語を話す家族とフランス語を話す家族が両方同じような割合で一つの街に暮らしています。
オタワからさらに北東に車で約2時間行くと、これまた有名なケベック州の大都市、モントリオール (Montreal) へ行き着きます。
どうでしょう、少しオタワについて土地勘が湧きましたか?
カナダに暮らしている人にとってのオタワの印象は?
カナダに暮らしている人にオタワのことを尋ねると、よく反応が大きく二つに分かれます。
「ああ、オタワね。」「オタワはパーラメント(国会議事堂)以外に何か見るものあるの?」という冷めきった反応か、「オタワは綺麗なところだよね!」「オタワ最高!愛してる!」という熱い反応です。
ここでポイントは、オタワに住んでいる人の中には後者が多いことです。
逆に、トロントやモントリオールに住んでいる人にきくと、「オタワなんてつまらない!」と返ってくることが多い。
というのも、オタワという街は、いわゆる観光スポットも少ないし(確かにパーラメントくらいでしょうか)、都会の遊び場があるわけでもないし、そういう目で見ると、いたってシンプルで地味な印象を受けます。
ガイドブックの記載も、大体2ページに収まってしまうし。
ところが、いざ住んでみると、これがとても親しみやすく、魅力にあふれた街で、一年を通して楽しむことに事欠かないのです!
私がオタワファンの住人としてオタワのいちばんの魅力を挙げるとするならば、長閑な自然に囲まれた美しさと、活発なローカルコミュニティの存在です。
魅力1.オタワの自然
カナダメープル街道の南の端に位置するオタワは、カナダの国旗のシンボルでもある楓の木が街中にたくさんあり、楓の木々が他の落葉樹たちとともに季節ごとに美しい色合いを作り出します。
そう、この地方は四季の変化もとてもはっきりしていて、花の咲き乱れる春、蝉が鳴き蒸し暑い夏、ドラマチックな紅葉の秋、雪の降りしきる寒い冬が交互に訪れます。
その季節の変化に合わせて、人々は実に様々なスポーツを楽しみます。
夏はサイクリング、カヌー、カヤック、キャンプ。
冬はリドー運河(Rideau Canal)でのスケート、林の中のクロスカントリースキー。
そして、身近に感じられる四季折々の動物たちの生活の様子。様々な鳥たちの鳴き声、庭を走り回るリスやチップモンクたち、夏に現れるタヌキ、スカンク、モグラ、キツネ、野ウサギたち。
私はオタワの市街地から少し南西に外れたところにある、ダウ湖(Dow’s Lake)と19世紀以来の国立農業研究所の広大な畑(Central Experimental Farm)の近くに住んでいますが、こんなところだと、時に珍しい動物の来訪もあったりします。
つい先日は野生のターキー(Wild Turkey)が羽をバサバサさせて半分落ちそうになりながら庭を横切ってきるのを目撃しました!
魅力2.オタワのローカルコミュニティ
オタワのもう一つの魅力はローカルコミュニティの存在です。
街のあちこちにその地区独自のショッピングエリアがあって、コロナの前は週末になると沢山の家族連れで賑わったものでした。
私は東京での大学生時代からカフェ巡りが大好きなのですが、そんな私にとって、ここオタワはパラダイスと言っても過言ではありません。
私がよくお世話になるのは、ヒントンブルク(Hintonburg)・ウェストボロ(Westboro)地区ですが、ここの目抜き通りウェリントン通り(Wellington St.)とリッチモンド通り(Richmond St.)にはより取り見取りのローカルカフェがぞろりと立ち並んでいます。
私が見た限り全国チェーン店はたったの二軒、セカンドカップ(Second Cup)とスターバックスだけです。
あとは全部オタワ市内のチェーン店か個人のお店です!
私が平日よくお世話になっていた一押しは『Ministry of Coffee』(直訳は「珈琲省」)と『Bridgehead』。どちらもオタワ独自のチェーン店です。
そして、週末にお世話になっていたのが、素敵なフレンチベーカリー『Chez François』(直訳は「フランソワとともに」)。
こちらは小さくもお洒落なお店で、どこか時間の流れ方が今時の世界とは違う、ちょっと外国のような場所です。
ここのコーヒーとフレンチペーストリーは私の大好物でした。
そして、カフェ以外にも、その間を縫うようにして、たくさんのローカルの洋服屋さん、アウトドア用品店(さすがカナダ!)、レストラン、ヘアサロン、雑貨屋さんなどが立ち並んでいます。
夏には道路沿いの公園でファーマーズマーケットを目にすることも珍しくありません。
今の時代は日本でも地元商店が振るわない地域が多いですが、そんな中、オタワでこうして人で賑わう色とりどりの地元のお店を見るたびに、私は本当にすごいなと感心してしまいます。(コロナでだいぶ状況は変わったかもしれませんが、私は地域のお店を応援しています。)
このようにローカルのお店が振るうのは、それを大事にする人々の存在があるから。
こんなところからも、オタワに住む人々のあり方が垣間見えます。
さて、オタワの魅力は書き出すときりがないですが、今日は皆さんにオタワの豊かな自然に囲まれた生活と、ローカルのお店を大事にする人々の生活模様をお届けしました。
どうでしょう、オタワという街の雰囲気、少し感じ取っていただけたでしょうか。
オタワは暮らしを味わう人の心に毎日尽きない驚きと美しさを届けてくれる街です。
皆さんもオタワにご来訪の際は、ぜひ観光客としてではなく、住人のような気持ちで訪れてみてください。
きっと素晴らしい体験に満ちた時間になること間違いなしです。
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