ワーホリ(ワーキングホリデー)とは!?簡単に説明すると…
ワーキングホリデーという言葉をご存知でしょうか?
よく「ワーホリ」と略されますが、ワーホリ(ワーキングホリデー)とは何か簡単に説明すると、海外で働いたり語学力を身につけたり自由気ままに現地の生活を経験するためのビザです。
1年間(2年間)のワーホリビザでの滞在期間のうちに、英語学習に力を入れる方がいれば、働いてお金を稼ぐ方もいますし、その名の通りホリデーとしてのんびり過ごす方もいます。
このページでは対象国と人気国・ビザ・目的・費用と予算・エージェントの選定・英語力の習得・期間・仕事と最低賃金などについて簡単に分かりやすく説明していきます。
ワーホリ対象国と人気国
対象となる20か国は下記の通りです。(2018年3月現在)
- オーストラリア 1980年~
- ニュージーランド 1985年~
- カナダ 1986年~
- 韓国 1999年~
- フランス 2000年~
- ドイツ 2000年~
- イギリス 2001年~
- アイルランド 2007年~
- デンマーク 2007年~
- 台湾 2009年~
- 香港 2010年~
- ノルウェー 2013年~
- ポルトガル 2015年~
- ポーランド 2015年~
- スロバキア 2016年~
- オーストリア 2016年~
- ハンガリー 2017年~
- スペイン 2017年~
- アルゼンチン 2017年~
- チリ 2018年~
他にも日本とはワーホリ協定を結んでいないものの他国間で協定しているケースもあり、日本政府が交渉を進めていくことでさらに日本においてのワーホリ対象国が増える見込みは充分にあります。
日本人のワーホリ渡航者は年間約20,000人で、数あるワーホリ対象国の中でもその殆どがオーストラリア、カナダ、ニュージーランドの3か国に渡航者が集中しているのが現状です。
オーストラリア 年間約8,000人
カナダ 年間約6,500人
ニュージーランド 年間約2,000人
年間20,000人のワーホリ渡航者の実に8割以上がこの3か国(合計約16,500人)に占められているということです。
また、オーストラリアはセカンドワーキングホリデーという制度があり、オーストラリアでもう一年間ワーホリ滞在ができます。セカンドワーキングホリデービザについてはこの記事では割愛しますが、年間8,000人とは別に年間2,000人のビザ発給数があるようです。
ワーホリ渡航者の目的は様々です。しかし、ワーホリを通して英語力を身につけたい、高めたいという目的を持つ方が多く、結果これら3か国を選ばれる傾向があります。
ワーホリはプログラムではなくビザの一種なんです!
ワーホリ(ワーキングホリデー)とはビザ(査証)の種類の一つです。プログラムと勘違いされがちですが、ビザというのは簡単に表現しますと滞在許可。
日本の国籍(パスポート)を持つ方は比較的自由に海外への渡航が可能とされています。
例えばアメリカなら90日まで、カナダは6か月まで、オーストラリアは3か月まで、韓国は90日までビザを取らなくても滞在が許されています。(厳密にはアメリカ、カナダはESTA、オーストラリアはETAS観光ビザを取りますが簡単に取れます。)
その観光扱いで旅行をしたり、短期留学をすることはできますが、それ以上外国に滞在したいとなりますと何らかのビザがなければ不法滞在になってしまいます。
その為に国によって様々なビザが存在します。その中でも一般の方が取りやすいビザが『学生ビザ』と『ワーキングホリデービザ』です。
学生ビザはその名の通り海外で学生として生活をする為のビザで、語学学校や専門学校、大学等の学校に通っている分だけ現地滞在が許されます。
オーストラリアで6か月間の語学留学、アメリカで4年間の大学留学、ニュージーランドで2年間の専門留学等、学びたい目的に応じて各国が受け入れをされています。
一方、ワーキングホリデー(以降、略式でワーホリ)は現在(2018年3月時点)20か国が対象となり、日本と二か国間の相互協定でビザの発給が認められています。
相互協定ということですから、例えば日本人がオーストラリアへワーホリで行けるということはオーストラリア人が日本にワーホリで来られているということです。
ワーホリの目的は異文化体験
2か国間で定められるワーホリ協定にはどの国においても2つの共通した条件があります。1つは年齢制限があることで主に18歳~30歳の若者が対象となっています。2つ目の条件は相手国に対して一生に一度しかワーホリビザが取れません。
例えばカナダにワーホリをした方が、もう一度同じカナダでワーホリをすることはできません。しかし1か国目はカナダ、2か国目はオーストラリアなど国が異なれば何度でもワーホリでの渡航が可能となります。
つまりワーホリ対象国が多数あるわけですから18歳~30歳までワーホリビザで様々な国を渡って過ごすということもできます。
ではワーホリの目的とは何でしょうか?ワーホリビザを導入している各国が考えるのは異文化体験、交流を若者に経験してもらいたいというのが主目的となります。
今まで日本で生活をしていて「これが当たり前、これが常識」と思っていたことが、海外で生活をすることで今までと違った物事の捉え方や生活環境、習慣の違いを体感するということです。そのような経験を日本に持ち帰り日本の社会や自分の人生に活かして欲しいという願いが込められています。
またワーホリビザを利用される方たちについてはワーホリを通して『自由な海外生活』というのを魅力とされる方も多いです。
ワーホリビザでは一年間(または国によっては2年間)を自由に過ごせるわけですから、英語等の語学力を高めたり、海外での仕事を通してキャリアアップに繋げたり、自由気ままに旅行をしたりと利用者が思い思いに過ごせるのはとても魅力的且つ利点と言えます。
特に「海外留学をしてみたいけれど長期間で語学学校へ行くほどお金に余裕がない」という方にとっては、現地で仕事をして収入を得られるというのはかなりのメリットがあり、なるべく初期予算を抑えて海外生活ができます。
ワーホリに準備する費用・予算について
ワーホリの魅力の一つは前述の通り、初期予算を抑えて海外生活が始められる点です。
現地で働いて稼げるので留学とは違い、滞在に必要な費用の全てを準備する必要はありません。
お金を貯めるのってなかなか大変ですよね!?学生の方だと親御さんに費用を用意してもらう方もいると思いますが負担が大きいと敵わないこともあるかと思います。
ではワーホリではいくら用意すればいいのかという話ですが、ワーホリ前に準備するお金は人それぞれで50万円くらいで渡航して現地ですぐ働き始める人もいれば不安なので300万円くらい貯めてきたという人にもあったことがあります。
目安は100万円から150万円と言われていますが、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドなどのワーホリ人気国でしたら、やる気があって費用を抑えられれば個人的には50万円くらいで十分生活はスタートできると思っています。イギリスのように物価の高い国でしたら人気国と比べてもう20%くらい多く費用のご準備が必要だと言われています。
内訳例としては…
・往復の飛行機代:
10-20万円(時期と国によります)
・語学学校1か月分:
10万円-20万円(学校によります)
・ホームステイ1ヶ月分の:
10万円-20万円(ホームステイ先によります)
・現地での生活費1ヶ月分:
10-20万円
・留学(ワーホリ)エージェントのサポート代:
0円
上記の内訳例はあくまで「人気の対象国でなら」という情報です。
日本人のワーホリ渡航者が少ない国や、ワーホリ協定が結ばれてから日が浅い国などだと、働く環境やサポートが少ないこともあり、十分に費用を用意する必要があります。
さて、格安でワーホリをするうえで重要なのが留学(ワーホリ)エージェントの選定になります。
格安でワーホリするなら留学(ワーホリ)エージェントの選定が重要です
留学(ワーホリ)エージェントのサポート代だけで30-100万円ほどかかってしまうこともありますが、無料でサポートしてくれる留学(ワーホリ)エージェントもありますので活用してもらいたいと思います。
もちろん留学(ワーホリ)エージェントを使わなくても、ワーホリには行けますし人それぞれです。初めてのワーホリでしたら留学(ワーホリ)エージェントの経験やアドバイス・サポートは大きな意味を持つと思うので利用したほうがいいと思います。
大事なのは自分がワーホリで何をしたいのかなので、お金に拘りすぎるよりも、しっかりエージェントの人と相談することが大切です。
武者修行のようにお金を貯めずに渡航して、現地で働きながら生活している人もいれば、十分なお金を用意して現地では長めに語学学校に通ったり旅行を楽しんだりという方もいます。
60万円の準備金でカナダのトロントに渡航して、ハンバーガー屋を始めた方の経験談などは非常に参考になるかと思います。
また、下見の海外旅行をするなど準備に時間をかけた方の経験談も参考になるかと思います。
自分が現地でどんな生活・経験を積みたいかを渡航前にしっかりと考えることが重要です。
渡航者の70%ほどは充分な英語力を習得できない現状
では、ワーホリ渡航者は自信を持って英語力を身につけたと言えるかどうか。残念ながらその多くは思ったような成果をあげられていません。
主な理由は『目標』が定められていないからです。例えば留学と比較してみますと、留学の場合、前述の通り学ぶという目的があり、目的から目標設定、その上で留学プランを検討し決定します。
つまりは留学を決めた時点または渡航した時点で自分はどこの学校でどれだけの期間学び、帰国するというレールが敷かれた状態で留学します。当然、やるべきことがはっきりしていれば、海外で何をすべきかその過程も力の注ぎ方も理解がしやすいです。
一方ワーホリの場合は自由ということは確かにメリットですが、逆に考えれば自由だからこそ現地へ行けばどうにでもなります。
大抵は語学学校に数か月通い、その後仕事(アルバイト)を探して収入を安定させる生活をします。数カ月では英語力向上はそれほど望めませんし、その状態で仕事を探せば日本食レストランで働くことだって想定できます。
大事なのはそのような状況になったときでも、いかに英語を使う環境を作れるかです。
語学学校は英語を学ぶ場ではありますが、英語を使う環境を自ら築かなければいつまで経っても話せるようにはなりません。例え日本食レストランで働くにしても裏方ではなく、いかにホールで接客できるポジションを得られるかを考えなければいけません。
現地のローカルのカフェで働きたいという方もたくさんいます。しかし日本で外国人がそういったお店で働こうとしたら、やはり日本語でのコミュニケーション能力は求められますし、日本語力以外のキャラクター(性格)や能力(経験等含め)なども考慮されるはずです。
目的あるワーホリをされるのでしたら、ぜひもっと具体的な目標設定をすること。
わからなければ経験者や留学エージェントの意見を聞いてみるのも大事な一歩だと考えます。ワーホリ渡航者の70%ではない30%の成功者にぜひなって欲しいと願っています。
ワーホリ経験者たちの英語学習についても多くの情報がありますので参考にしてみてはいかがでしょうか?
→英語学習
ワーホリビザの期間について!国によって1年間か2年間か異なります!
ワーホリの期間は最大1年間(国により2年間)ですが、例えば前述の人気3か国(オーストラリア、ニュージーランド、カナダ)はビザを取ってからではなく、入国してから1年間になります。(ビザ取得後1年以内の渡航が条件)
また、その他の国についてはそれぞれ条件が異なる場合がありますので、各国の大使館サイトや留学エージェントに問い合わせをして正確な情報を得るようにしましょう。特にビザの条件や詳細は都度変わることがありますので常に新しい情報を得る必要があります。
ワーホリ期間について多くの国では最大1年間(2年間)の滞在許可となりますが、必ずしもその期間をフルで滞在しなければいけないということはありません。
※オーストラリアの場合は現地での仕事などでセカンドビザを取得できれば2年間滞在できますし、イギリスではもともと2年間の滞在許可となっています。
5か月間、9か月間、11か月間等、渡航される方の判断でいつでも帰国ができますし、帰国の際に誰かに報告をしなければ必要もないです。当初は6か月間の予定だったが、過ごしているうちにもっと長く住みたいという気持ちから結果1年間滞在したという方もいらっしゃいます。
反対に、ビザが許す限り生活しようと考えていた方が、それぞれの事情で期間を短くして帰国する場合もあります。
ただ、気を付けなければいけないのが海外保険の適用期間です。ワーホリで滞在している間は何が起こるか分かりませんし無保険状態だと万一の場合に多額の医療費がかかるということがあります。しっかり滞在期間分をカバーできるようにしておきましょう。
仕事と最低賃金問題について!
ワーホリ中の過ごし方はその方の目的に応じて様々です。
多くの渡航者は初めの数か月間語学学校に通い、その残りを仕事をして生活をします。仕事を通してお金が貯まる方は最後に旅行をして帰国されたり、TOEICなどの英語試験や英語教師コースなど何らかのコースを受講して帰る方もいます。
ワーホリ期間の大半は仕事をされるのですが、一般的に飲食店に勤める方が殆どです。日本食レストラン、居酒屋、ラーメン屋といったお店が各国、各都市にあり、お店には日本人の方が食べに来るよりも現地の人たちや各国の留学生が食事に来られることが多いです。その為、例え日本食系の飲食店でもホールに出れば英語や現地の言語を使う機会が多くなります。
一方、飲食店以外の職業でしたら、配達ドライバー、オペア(家政婦)、美容師、ホテルのハウスキーパー等があります。語学力を求められるもの、経験を求められるものと職種によりますが、飲食店はちょっと…という方はそういったお仕事を探してみるのも良いですね。
また、日本も同様ですが各国とも最低賃金というのが法で定められています。しかし最低賃金を下回る給与で働いている方がいるのも事実で、そのような現状があることも理解した上で職探しをするようにしましょう。
自分の経験談としては、基本的には高い英語力が身についていれば最低賃金を下回る環境で働くことは少ないと実感しています。
反対に英語がほとんど話せないワーホリ渡航者は足元を見られてしまいます…。
日本食レストランなどでの御皿洗いなど、最低賃金を下回る給与で働いているワーホリ渡航者の方も少なくないので注意が必要だと感じています。
ちょっと危機感を抱いてしまうことを書きましたが、ワーホリの魅力の一つは英語が話せなくても楽しく過ごせることでもあります!
英語が話せないままワーホリで渡航して充実した生活をしている方も沢山いるので参考にしてみてください。
→英語が話せないのにワーキングホリデー(ワーホリ)にいくと・・・。
ワーホリ生活で得られること
ワーホリでの生活で得られることは主目的である異文化体験です。
英語学習に注目されがちですがワーホリビザの本来の目的の一つは異文化体験で、日本と韓国を除いた他の国の方々にとってワーホリとは「限られた人生の中で人として成長するために経験を積む」という観点で生活している方がとても多いように感じました。
日本での生活と異なる文化や物事への捉え方など普通に生活をされるだけでも多くの刺激があるはずです。ワーホリ生活を経て、みんな行って良かったというのは確かなことで、一度きりの人生において決して無駄にならない貴重な経験となります。
その為、『何となく海外で生活をしてみたい』というのも立派な動機(きっかけ)です。また、年齢に不安を感じる方もたまにいらっしゃいますが、学校を卒業したばかりの20代前半の方も長いこと会社員で頑張ってきた30歳近い方もきっと貴重な機会になるはずです。
語学力の向上についてネガティブな現状をお伝えしましたが、ワーホリで何か一つでも成果を得たいという方はぜひ挑戦してもらいたいですし、帰国後の心配がない方はどんどん海外に出てもらいたいと願っています。
人間の一生は約80年でしょうか?100年でしょうか?その僅か1年間の期間を海外のどこかで過ごす。そして、これまで持っていなかった新しい価値観や体験をすることは長い人生で自分の大きな糧になると感じています。そのような寄り道をしてみたって良いと思いませんか?
1999年にワーホリでオーストリアを放浪した宝のような思い出を、私も持っています。
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