フィンランドの大学へ留学
僕は大学の交換留学制度を利用してフィンランドに行きました。
派遣された大学はフィンランドの中央部に位置するユヴァスキュラ大学という大学です。
フィンランドの中で標準語が話されていると言われており、毎年日本人がフィンランド語を学びに来ています。
その大学で教育のコースを受講していました。
今回は教育の授業のひとつである、special educationのコースからみたフィンランド教育についてお話します。
写真が多めなので簡単に読めますよ。
学校は個性も育てる
Special education は日本語に訳すと「特別教育」です。
つまり、ハンディキャップを持った子どもたちに対する教育です。
その授業の一環で、市内にある小学校の視察に行きました。
この小学校では障害を持っている子ども、持っていない子どもが同じ空間で勉強をしています。
日本のようにそれぞれ別の学校に分かれて勉強するのではなく、小さいうちから子どもたちは多様性の環境の中で勉強をしていました。
学校の担当者は、
「人間はそれぞれ個性を持っておりそこに優越はない。お互いに助け合い、互いの個性を補うような社会作りを小さい時から学ばせている」
と言っていました。
平等な教育環境を子どもたちに
この学校に来て一番感じたことが
education for all (教育の平等)
でした。
フィンランドでは、住む場所や国籍が違ってたり、どんなバックグラウンドを持っていても、子どもたちは平等に教育を受けることができます。
また、そのことは国の教育方針でも定められています。
この学校でもそれぞれ子どもたちの持っている能力や特徴は違いますが、一人ひとりに見合った教育を提供していました。
また、子どもたちの個性を豊かに育ませられるような設備環境もしっかりと完備されていました。
個々の子どもの勉強スピードに合わせた教育を行うために、メインの教師のほかにアシスタント教師という存在がいます。
設備に関してはすべての教室で電子黒板を採用しており、子供たちは動く動画で勉強することができます。
トイレはすべてバリアフリーでした。
また、学校の外に出ても社会の生活環境に適応させるためにキッチンや洗濯機などが備えられており、生徒は学問だけではなく社会の中で生きる方法も勉強していました。
教育の未来とそれをめぐる問題
「教育の平等」を推進するフィンランドでは、基本的に教育費は無料です。
文房具やノートの支給制度、体にハンディキャップを持った子どもがタクシーで学校に来る際も、交通費は国から支給されることがあります。
フィンランドの教育に対する様々な取り組みをこの学校から見ることができました。
もちろんすべてが順調にいっているわけではありません。
国の経済状況は良好とはいえず、教育に対する予算は増えたり減ったりしています。
一時期は外国人留学生に対する授業料を課すという話も出たりしました。
教育は国の発展に貢献するひとつの大事な要素だと思います。
しかし、それを支えるだけの経済や環境がなければ十分な教育を行うことができなくなります。
子どもをめぐる問題は多岐にわたります。
日本でも子供の貧困問題がニュースで取り上げられています。
子どもたちは未来を作る人材であり、未来への投資であると考えます。
これから様々な不安を抱える日本ですが、もう一度教育に対する考え方を改めて、将来の日本が少しでも明るくなるような教育をみんなで考えていく必要があるのではないのかと思いました。
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