同僚アルマの無断欠勤
みなさんは無断欠勤ってしたことありますか?
ほんと最低ですよね。クズですよ。他の人の迷惑なるってことも、人としておかしいってことも考えないんですかね・・・?
僕はあるんですけど。10代の時にちょっとね。
あの時は本当すみませんでした。。
まあこれ誰が悪いかって完全に無断欠勤した人が悪いんですけど、その人にも色々と言い分はあったりします。でもそれは100パー言い訳だし、それが肯定されて良い訳ないんですけどね。
ただ誰も理由も無く無断欠勤なんてしないんじゃないかな・・・。
(※この先思いっきり自分の事を棚に上げて言いますのでご了承願います)
この日、僕の働いているアルバニアにある宿の掃除担当アルマが無断欠勤しました。
正直僕としてもびっくりでした。
ヨーロッパ最貧国と揶揄されようが、ヨーロッパ人で良い年した大人がそんなことするとは・・・。
(何か事件に巻き込まれたとか、そういう可能性を抜きにして考えた場合ね)
しかもアルバニアは職探しも結構大変らしいから余計に。
失礼を承知で言いますけど、例えばインド人が無断欠勤しても僕は何も驚きはしません。
これまでにそんな人も実際に数名見てきたし、インド人にはインド人の都合・境遇・性格があるからです。
無断欠勤することが必ずしも悪だとは言えない、それがインドなんです。
言葉だけで説明するにはあまりに文章力が無い尊い。
話しがまた今回の本筋とは全く別の方向へ行ってしまうのでこの辺にしておきますが、「ただのインドびいき」「インド人を見下してる」などと思った方は、そうではありませんので是非数ヶ月間インドに滞在して下さるとご理解いただけるかと思います。
話を戻します。
掃除アルマは前日に休日をもらっていて、隣国モンテネグロに行ってたんだそうです。隣国と言っても、ここシュコドラからだと車で20分ちょっと走ればもうモンテネグロに入ります。
プライベートのことなので別に休日どこへ行こうが勝手ですが、休み明けにはちゃんと出勤すべきですよね。でも来なかった。
僕よりも年上のいい年した大人が何やってんだと!
僕ひとりで掃除しなあかんやんかと!
まあゲストも少ないしそれは別にいいんですけど。
ただオーナーのアルマは怒り爆発で、「もし午後に出勤してきても首だ」と言っています。
このダブルアルマ、以前からあまり人間関係は良くなかったんですよね。
しっかり者のオーナーアルマと、お調子者の掃除アルマ。
この二極化したふたりの間にまあまあな溝があったのは、以前から感じてたことです。
キャラが違うからってだけで、普通はこうはならないですよね。
掃除アルマは結構ルーズなところもあって、それをオーナーアルマはあまりよく思ってなかったのは知ってました。
彼女は掃除はかなり細かいところまでしっかりとこなしていたし、やんちゃ犬ペッパーの世話もしっかりしてたし、やることはやってた印象だったんですけどね、僕的には。
ただ性格上勘違いされやすい部分はあった。そんな人でした。
なんだかモヤモヤしたまま一人で掃除を終え、この日はディナーの予約があったのでそっちに集中します・・・。
ご予約のお客様も来られ、ディナーの準備も整った。
そんな最悪のタイミングで掃除アルマは現れました。しかもちょっと怒ってる!なんでやねん!
この日のお客様は次回説明しますがちょっと特別な方々だったので、僕もアルマも同席して食事をすることになりました。
そこへ登場した掃除アルマ。
ん~もうっ!!(笑)
とりあえず僕はお客様たちと一緒に食事をし、ダブルアルマは別室で話しています。
しばらくするとオーナーアルマは戻ってきて、一緒に食事、そして食後のラキ(こっちのお酒)とともに会話を楽しみました。
お客様が帰られた時に掃除アルマの姿はもうありませんでした。
オーナーアルマに事情を聞きます。
まあ互いの英語力の問題もあり、細かいところまではわかりませんでしたが、どうやら掃除アルマは近々結婚するんだとかなんとか・・・。原因、男!?
彼氏がいるとは聞いていましたが、そんな影は全くなかったということ、以前僕にだけこっそり見せてくれた彼の写真がめっちゃイケメンだったってこと、そして彼女のキャラもあって、本当は彼氏なんかいないんじゃないかって正直内心そう思ってました。
それが無断欠勤からの結婚て!!!
一日で急展開過ぎてついて行かれへんわ(笑)
まあ彼に仕事を無断欠勤させるほどの魅力があったってことなんでしょう。
しかし仕事って基本的にはお金の為にするものですから、それを失う覚悟があったんでしょうか。理想よりも少ないからそれに不満もあったんでしょうか。
ヨーロッパ最貧国アルバニアの実情
リアルな話をすると、平均年収50万円にも届かない国で、仕事内容:安宿の掃除ですから、その月給は知れてます。というか、以前会話の流れで彼女の給料聞いたことあるんですけど、それはそれは思ってたよりもかなり安かったんですよね。まあそういうことです。
(※ちなみにヨーロッパ人って結構オープンな人が多いので、貯金額とか給料とか聞けば普通に教えてくれます。これに対して「失礼じゃないか!」っていう概念はあまりありません。)
その分物価も安いんで、それでも暮らしてはいけるんですけど。
以前メディーナが、アルバニア人のほとんどはスマホや車を買うことを目標として働いているって言ってました。
日本にもそういう人は多いとは思いますけど、スマホ欲しいけど持ってない人なんてほとんどいないだろうし、車だって買おうと思えば数年頑張って働けば買えるでしょ。だからその目標の度合いっていうか、重みは全然違うと思います。
例えばここに100ユーロあったとして、これが日本人にもたらす影響と、アルバニア人にもたらすそれとは全然違う訳ですよ。
僕ら先進国の人々みたいに海外旅行なんて夢のまた夢ですよね。
だからそういうお金のかかることに対しては半ば諦めてる人も多いです。
こっちはこっちで家族愛とかそういう絆は日本人より強いですからね。
そういう部分は素晴らしい。
旅してて現地の人々と関わるのが好きな僕ですが、こういう根本的な部分は人によって意見が分かれるので接し方に困る時もあります。
うーーーん。
だんだん何が言いたいのかわからなくなってきた。
もうなんとなくで察してください(笑)
そういう訳で、お掃除アルマはこの宿を去ることになったみたいです。
お調子者だけどどこまでもフレンドリーで、ルーズな部分もあったけどどこまでもおおらかな彼女が居なくなるのは正直寂しい。
言葉はほぼ通じないんですけど、別の何かが通じ合ってた感と、それが心地よかったり、逆にイライラするときもあったりと、まあいろいろありましたが結局のところ「ザ・自由人」な彼女には素の自分で接することができたし色々と感謝もあったり。
最後にちょっとだけでも話したかったですけどねー。
もう会うことはないでしょう。
ですが人はいつまでも同じ場所には居られないですからね。
どこかで幸せになってくれたらいいなー、と思います。
最後に、彼女はワーカーとしては良くなかったのかもしれないけれど、クリーナーとしては最高だった、と、細かい部分まで真っ白でピカピカの便座を見て今日も僕は思うのでした。。
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