アメリカ社会の経済的不平等について学んでいます
今日はSociology(社会学)の話しを少しします!
私が今期とっている社会学はもちろん入門編、100番台の簡単なコース。(簡単なわりに、readingの量は少なくないのですが笑)
教授がsocial inequalityに専門を置く方のようで、学期の総まとめ期間である今はアメリカ社会の経済的不平等について学んでいます。
アメリカ社会には、尋常でないくらいに貧富の差あります。
最低貧困層とされる家庭の年収のラインが、もうすでに家に住んでいられないレベルで、一家が車で寝泊まりしている事例も、授業で観た動画やreadingによく出てきました。
今読んでいる本「Random Family」も実話にそって書かれた物語で、貧困地域に住む家族たちの話しです。
アメリカでの貧困問題を取り扱う時、いつも思い出す体験があります。
夏にルームメイトの家に泊めてもらっている間、彼女のお父さんが、車である住宅街を通った時に私に言ったんです。
「この住宅街には、主に貧しい家族、シンングルマザーと子供が多く住んでいる。
彼らは政府から家と、補助金をもらって生活している。
それらの補助があるせいで、彼らは働かなくても生活していけるから、仕事も探さないで怠惰になっている。
彼ら働く気もない人々がこうやって暮らしていけるのは、俺たちミドルクラスの払う税金が、ここに使われているからだ。
俺の娘はたとえば、医者になろうとしている。医者は最大で収入の半分を税金として取られてしまう。彼女が頑張って働いた報酬が、仕事を探そうともしない、こういう人たちのために使われてしまうなんておかしいと思わないか?
アメリカは資本主義の上に成り立っている国なのだから、国民医療保険もそうだけれど、こんなふうに、能力があって稼げる人たちが努力して得た収入から、多額の税金を取って、その金を働きもしない人のために使うというのは、この国の基本的な主義に反している。」
その意見を聞いたときには、私は「そうだね。一家族がこの家に居られる年数とか決めたら、まだいいのに」と言った記憶があります。
これが私が人生の中で「アメリカ人の自国の政治に関する意見」聞いた第一回目だったので、これがアメリカ中産階級が一般的に持つ解釈なのかーと思い、彼の意見を半ば鵜呑みにしていました。
資本主義、個人主義社会への疑問と社会学
私がアメリカで学ぶ中で、ひとつ気がついたのは、アメリカ国内の中でも「今の完全資本主義、個人主義の社会システム」に疑問を持っている人も多くいるのだということ。
周りの教授や、アメリカ人の生徒の中には、私が初めて聞いたのとは違う意見の人がたくさんいて、「今の社会システムを受け継ぐだけではだめなのないのではないか」と考えている。
例えば前学期の私の政治学の教授は、資本主義、個人主義国家であっても、国民医療保険など、貧しい人をもっと助けられる制度は必要なのではないかと訴えていました。
そしてその意見の方に、今の私は賛成です。(日本に年金や国民医療保険があるからかもしれませんが)
この国では医療費が高すぎて、お金のない人は病院に行くことができない。
定期検診にも行けない、妊婦でさえも。よってそういった貧しい家庭に生まれた子供の健康状態は、よくないことが多い。
「Random Family」が教えてくれる貧困地域での家族の生活。
薬物、十代の妊娠、児童虐待、若者の犯罪、銃での撃ち合い、性犯罪被害にあう女性の多さ。
こういった問題は、もとをたどれば全て「貧しさ」からきています。
なので、貧困にある人、弱い立場にある人たちに政府は手当てをするべきだと私は思います。
でも、ルームメイトのお父さんの言うように、ただ家やお金を提供するだけでは、貧困の根本的な解決にはつながらないのかもしれない。
今のところ、家庭の「暮らしの質」を上げて、貧困地域の文化そのものを変えることが大事なのでは、というのが今の授業での話題です。
…では、そういった目的のもとで、どうすれば貧困地域の環境を改善できるのか。
例えば、貧困地域の教育を向上させることで、どれだけこの問題に貢献できるのか。
…それとも、地域環境を変えるという発想は実践的ではなく、貧困から逃れたい家庭は、その地域から離れるのが一番良いのか…。
ーーーということを今、社会学で学んでいます!
(「少し話します」と書いたのにものすごく長くなってしまいました…汗)
社会学、専攻にはしないけれど、多くの学びをくれる教授に感謝です^ ^
[こちらのブログより寄稿していただきました。]- アメリカで社会学を学んでいます - 2015年8月15日
- 私のアジアンアクセント - 2015年7月2日
- リベラルアーツ大学への進学が、高校の時から私の夢でした - 2015年5月23日
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