異文化が混ざり合うトロント
めっきり寒くなって来ました。気温が-10度を下回り連日雪が降り続いている。
当初は氷点下の気温にビクついていたが、すっかり慣れた(笑)
この寒さに慣れてしまえばトロント人への一歩はクリアされたも同然、・・・だと思いたい。
自分と同じ時期にトロントに来たブラジル人の友達も故郷とは正反対の気候にすっかり慣れっこの模様。「住めば都」とは先人はいい言葉を残してくれました。
移民国家であるカナダ、特にトロントはずば抜けて国際色が豊かだ。
トロント市内には200を超える語学学校が存在し、カナダが世界に誇るトロント大学には国籍、宗教、主義主張が異なる生徒達が日夜勉強に励んでいる。
そんな国際色豊かなトロントだからこそできることがある。
みなさんはLanguage Exchange(以下、LE)というものをご存知だろうか。
読んで次の如く「言語を交換する」のだが、要はお互いにネイティブレベルで話せる言語を教え合うこと。
違う国籍の人間が多く集まっているトロントは異文化、多言語を知り、学ぶには絶好の場所だと思う。
様々な年代の人達が集まり、それぞれの年代における、その国の生の声が聞けるからだ。こういったことに興味がある人たちの有志でなりたっているのがLEだ。
自分も何回か参加したが、手早く外国人と仲良くなるにはとてもいいツールであると言える。
お互いがお互いの国、文化や言語に興味があるという前提条件あるので当たり前といってしまえばそれまでだが、、、
前置きが長くなりましたが今回はLEに参加した時のことについて書こうと思う。
海外で出会った自国について語れない日本人
日本語と英語のLEにはじめて参加したときのこと、今でも覚えているのが「一体どこからこんな日本人が湧いてきたのか」ということ。
普段街中では見かけない日本人が会場にはたくさんいました。しかもほとんどが学生。そんな環境に少し圧倒されながらも、1テーブルに外国人1人に日本人2人という構図でスタートした。
自分のテーブルの外国人に台湾系カナダ人。日本という国と文化が好きで日本語学校に通い、プラスLEに参加しているとのこと(流石親日国台湾出身者!)。
同じテーブルのもう1人の日本人は現在京都の大学に通う21歳の男の子。
流れで京都の話になったときに外国人の彼が「京都に行けば芸者に会えるのか?」と尋ねたときの大学生な彼の返答に僕はとても信じられなかった。
彼はキョトンとした表情で「芸者ってなに?」と聞き返したのである。
僕と外国人の彼で芸者のことについて説明するとさらに「そんなの習ってないから知らないっすよ!てか、そんなん知ってるなんて意識高いでっね!」と返答されてしまった。
終了後、外国人の彼と「ビックリだね。。。」とショック受けていたのを未だに覚えている。
繰り返しになるが、ここトロントでは様々なバックボーンを持つ人間が多く集まっている。
バーや語学学校等で知り合った彼らの誰もが、自分の国について説明することができ、誇りを持っている。
理由はそれぞれだが、そこに付け加える形で英語を習得している。
カナダ人の友人が「トロントはマルチカルチャーだ」と言っていた。マルチカルチャーとは、それぞれの国の文化を維持したまま土地に適応することだそうだ。
それ故に、トロントでは様々な文化を認め合うという風習が根付いているのだそうだ。
ここで知り合う日本人のトロントにきた理由のほとんどが、「ちょっと海外に憧れてたから来てみた」や「白人の彼氏が欲しい」等である。
それについて全く否定するつもりはない。理由は人それぞれである。
ただ、日本の外に出て行くのであれば、1人の日本人として日本について説明できるようにしておくべきなのではないだろうか。そして、これを気に自分について考えてみるべきなのではないだろうか。
トロントの留学生たちは自分の将来の為に英語を学びに来ており、そこから更にこちらの大学に編入する人も少なくない。
全てではないが、将来は国に帰り成功する為に日々切磋琢磨している。
海外に対する憧れの気持ちはとても理解できる。
温故知新、彼を知り己を知れば百戦殆うからず。
自己を知ることの大切さを説く先人達の言葉がいくつも存在するように、外側ばかり目を向けていては、そこに成長はなく海外で過ごした時間がただ楽しいだけで終わってしまうのではないだろうか。
それはとても勿体無いことだと思う。
同じ日本人として、少し故郷が心配になった一時であった。
少し暗いはなしになってしまったが、今回はこれまで。
ではまた次回、お会いしましょう。
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