世界一周旅行者たちよ!キルギス旅行、おすすめです!
キルギスと聞いて地球儀ですぐに「ここ!」と指させる日本人はどれくらいいるだろうか?
世界一周旅行者にも飛ばされがちなキルギスは中央アジアと呼ばれる地域に含まれる一つの国です。
日本から見て中国の向こう側。アフガニスタンの北側の辺り。うーん、ヨーロッパのだいぶ手前?
だいたいの位置がわかって頂いたところで、今回は僕が先日旅してきた中央アジアの国々の第一弾として「キルギス」という国のほんの一部を紹介していきたいと思います。
超有名激安宿「南旅館」にて現地の食材で自炊
僕はバックパッカーとして世界一周中の貧乏旅行者なので、一泊数千円・数万円もするような高級ホテルには泊まれません。大抵、数百円で収まる程度の安宿に宿泊しながら旅を続けています。
その中でも世界中には幾つか超有名な安宿が存在します。
そのひとつがキルギスの首都ビシュケクにあります。その宿の名前は「南旅館」。
旅館と言っても想像と全然違うのが、ここはとある団地の一室であるということ。
ここにドミトリーと呼ばれる4-5人が泊まれる男女共用の部屋が2部屋あり、中央部分に雑談のできるリビングルーム、全員で共用のバスルーム、そして旅行者が自由に使えるキッチンがあります。
気になるお値段は一泊350ソム(日本円で約560円)です。
ちなみに僕のホームタウンである大阪でこのような安宿を探すとなるとだいたい2,500円以上はしますので、キルギスの物価の安さがわかって頂けると思います。
なんだか宿の紹介ばかりで南旅館の回し者かと思われそうですが違います。あ、現代の旅行者にとって最も重要な要素であるWIFIはめちゃくちゃ早くて申し分ありません。やっぱり南旅館の・・・違います(笑)。
本当に重要なのはここからです。
かつての旅人は世界遺産や観光目的で旅をしていた訳ではありません。
その土地の文化を知り、また自分の文化を伝えるために旅をしていました。
先にも書いた通り、この宿では(この宿だけではありませんが)宿泊者が自由に使えるキッチンがあります。
つまり現地のマーケットへ赴き、好きなだけ食材を調達して、調理できるということです。あれ?そこまで魅力的ではないですか(笑)。
僕が元調理師だったせいかも知れませんね。しかしこれが意外と面白いんです。
普段海外を旅していてマーケットへはよく行くとは思いますが、そこで食材を買うことはありますか?
短期の旅行者であればあるほどそんな機会は珍しいと思います。
実際に現地の人々に交じって食材を買う。この体験は現地に行かないと絶対に出来ない貴重な体験になるはずです。
実際に物が売れれば店主だって気持ちよく接してくれますし、そこから会話が生まれることだって珍しくありません。もちろんキルギス人は英語を話す人はごく僅かなのでロシア語を少しだけでも覚えていくことです。
9ヶ月間インドの宿で管理人をして夕食の支度までしていた僕だから言えるのですが、日本で自炊するのと海外で自炊するのとではまるで勝手が違うことに気がつきます。
マーケットへ食材調達へ行っても、目当ての食材が無いことなんか当たり前。逆に見たことも無い食材を買ってみて・・・ということもあります。
南旅館の近くには大型のスーパーマーケットもありますが、店主との会話を楽しめるローカルマーケットへ行くことをおすすめします。もっともキルギスの物価はめちゃくちゃ安いですからね。ローカルレストランへ行けば200円もあれば食べきれないほどの食事ができます。
キルギス南部の村サリタシュでホームステイ
キルギス南部に位置するサリタシュという村へも行ってきました。
かつては遊牧民だったキルギス人。彼らの特徴は移動式住居のユルタに住みながら、食材となるヤギや鶏と共に旅をしていたというところです。
旅と言っても夏はこの辺り、冬はこの辺りと通年だいたい決まって同じ場所に住処を構えていた様ですが。現代のキルギスではもちろんインターネットも普及し定住を構えるようになっているので、遊牧している人々なんてほとんどいません。
でも年間を通して比較的あたたかい6月下旬から9月末にかけてはこのユルタを建てて数ヶ月間生活をする人々も少なからず存在しているようです。そんな人々がいるのが今回訪れたサリタシュ周辺の地域ということです。
サリタシュは標高約3,200mの高地。高山病に十分かかる可能性のある標高なので、高山病の薬を飲んでいよいよ出発です。
キルギス第二の都市オシュという街からマルシュルートカと呼ばれる乗り合いのワゴン車に揺られること3時間ほどでサリタシュに到着します。
道中すでにいくつものユルタを見かけましたが、現在は根っからの遊牧民はほとんどいなく、キャンプ場の様な場所にユルタやテントを張ってリゾート気分を楽しむ家族連れが多いような印象を受けました。道中実際にユルタを見れたことで高まる期待を胸に、まずは情報収集をとサリタシュの家々を練り歩き、ホームステイさせて頂ける家庭を見つけました。
料金は一泊400ソム(約640円)で滞在中は3食プラス、チャイと呼ばれる紅茶を飲む時には大量のお菓子を頂きました。
家の中は綺麗な中央アジア独特の柄のカーペットや壁掛けなどで装飾されていて、肌寒い外の空気と比べ暖かな空間が広がっていました。寝る時はベッドではなく、これまた独特な模様の布団を丁寧に敷いてくれました。そこのお父さんの友人がユルタを所有しているそうで、たまたま翌日親戚一同で訪問する予定だったという遠足へ一緒について行かせて頂けることになったのでした。
遊牧民の家ユルタへ訪問
お父さんの運転するトラックの荷台に乗って赤ん坊から年配のおじいちゃんまで併せて15人位でユルタへ向かいます。
村の向こう側にははっきりと雪の積もった山脈が見えます。村を出発して約20分、谷の合間を縫うようにしてユルタのある草原に到着しました。
念願のユルタがこんなに近くにある。それだけで感動を隠せませんでした。
到着するとみんなで協力して荷物をユルタまで運びます。ユルタの内側は木の骨組みがむき出しになっていて、キルギスの一般家庭の様にカーペットなどで綺麗に装飾されています。中には調理も出来るように炭で火をおこすタイプのかまど。そこから天井に伸びる煙突が良い雰囲気を醸し出す。
お湯が沸いたので早速みんなでチャイタイムです。熱々の紅茶にお母さんが前日から大量に仕込んでいたボルソックという菓子パン、クミスという馬乳酒も出てきました。これはとても酸っぱくてちょっとだけミルキーで、アルコールはほとんど感じさせない何とも言えない飲み物でしたが、遊牧民の血を受け継ぐ彼らは大人から子どもまで美味しそうに飲んでいました。
ユルタの横にはロバが繋いであり、それに乗せてもらえました。
初めての乗ロバ体験はとても心地よく、なかなか思うようには進んでくれませんでしたがそれなりに楽しめました。サリタシュ近郊の更に小さな村々では今でも生活の一部にロバがいて、移動する時や荷物を運ぶのに使われています。
草原に腰をおろしてゆっくりと会話を楽しむ大人たちと、元気過ぎる子どもたち。慣れない僕は少しでも走ったり坂道を登ったりすると、標高と年齢の高さからすぐに動悸が激しくなってしまいました。
情報量が少なくて不安もあったけど
キルギスの人々は他のアジアの国々と比べると比較的シャイな印象でした。道を歩いていても東南アジアやインドと比べるとあまり声を掛けられることは無かったし、話しかけてもあまりテンション高めの反応は返ってこない。ただタクシードライバーはやはり他と同じく積極的です。
イスラム教の国ですがそこまで厳格な人は少ないように感じました。僕がキルギスを訪れていた間はほぼずっとラマダンというイスラム教の断食月間真っ最中だったのですが、日の昇っている間は断食という決まりは一応あるけれど普段通りに食事をする人も多かった。レストランは普通に営業しています。
旅人の中でも訪れる人は決して多くない中央アジアという地域の第一ヶ国目で、情報量も少なくて不安もありましたが、行ってみるとすごく楽しめました。
キルギス、おすすめです。
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