突如決まったカナダ・オリバーでのファームステイ
今回は、まず私がファームステイをすることになったきっかけから書きたいと思います。
カナダトロントからワイナリーで働くためにケロウナに移動し、その後バンクーバーへ移動するまでの約2週間、私はオリバーという町でファームステイをしていました。
そのオリバーの家では、果樹園とB&B(ベッド・アンド・ブレックファーストの略称で、朝食付きの宿泊施設)を営んでおり、広い土地も所有していました。
オリバーという地名を聞いたことのある人はケロウナよりも少ないと思いますが、有名どころのバンクーバーから415km離れた町で、ケロウナからはバスで行くことができます。
ワイナリーなどが有名で、カナダ・オカナガン地方のワインの元になるブドウの多くはオリバーの畑で作られているそうです。
また、アメリカとの国境へ行くにも車であればそう遠くない町です。
ケロウナの後にバンクーバーへ引っ越そうと考えていた私。
その頃、ケロウナのシェアハウスで以前一緒に暮らしていた友人が、私より先にその家を出て、オリバーのファームステイに行っていました。
その友人のファームステイが終わり、その友人がビクトリアに移動する直前に、私達はバンクーバーで合流し、一泊二日の旅行をしました。
その時に、ファームステイ先はどうだったか聞いた際、すごく良い家族で英語も教えてくれたりして、行って本当に良かったし、オススメだと聞きました。
その話を聞き、「私も行ってみたいなぁ」と言うと、その元シェアメイトが、「ホストファミリーに(数週間行ってもいいか)聞いてみようか?」と言ってくれたので、「是非お願いします!」と即答しました。
それが、4月末から5月始めという仕事もまだそんなに忙しくない時期だったため、働く代わりに寝る場所や食事を無料で提供してくれるというファームステイの家族からは断られるんじゃないかという気持ちの方が強かったのですが、たった2週間という短期間+ファームの仕事もB&Bの仕事も閑散期にも関わらず、ホストファミリーは快く私の受け入れを許可してくれました。
実はケロウナの家の家賃も一ヶ月分すでに払っており、オリバーに行くとなると、一週間予定よりも退去が早まることになるため、住んでいないのに家賃だけ余分に払っているということになります。
ですが、急に決まったことなので、その分の家賃を返してくださいとも言えず、また、それよりもファームステイに行きたい気持ちの方が断然上回っていたので、お金のことは全く気になりませんでした。
お金より貴重な経験ができるならと思ったのです。
こうして、私はファームステイ先のオリバーという町へ移動することになったのでした。
果樹園とB&Bでの仕事内容
さて、そのオリバーの家で私が任されたのは、アプリコットの摘果作業や肥料撒き、部屋の掃除や洗濯、壁のペンキ塗り替え、ベランダのペンキ塗り替えなどでした。
ペンキ塗りをしたことがないという私のために、ホストマザーはあえてその仕事を作ってくれたりしたのです。
また、ハシゴを使ってアプリコットの木になっている余分な実を落としていく摘果作業をひたすら行う私に対して、
「適当な所で休んで良いからね!」
「体は痛くない?無理しちゃダメよ」
と、優しい言葉を常にかけてくれるホストマザー。
また、何かやる度に、
「そんなに仕事が進んだのね!よく頑張ってくれてるゎ!」
といつも褒めてくれました。
しかもわざとらしくなく自然に。
私もこんな風に優しくて人を包み込めるような人になりたいと毎日思いました。
ホストファミリーとの思い出
ホストファザーは家の庭や果樹園で作業をしたり、書斎の部屋にこもって仕事をしていることも多かったのですが、ホストマザーとすごく仲良しで、優しく爽やかな笑顔でいつも話してくれるユーモアのある人でした。
ホストマザーは料理も得意で、オーガニック食材を使って見た目も味も素敵な料理を毎日沢山作ってくれました。
そのレパートリーの多さや味の美味しさには毎回と言って良いほど感動。
ついつい食べ過ぎてしまう毎日。
また、手作りケールチップスやアイス、タルトやクッキーなどのおかし作りをほぼ毎日ホストマザーと一緒にしたり、日本にも最近入ってきたNetflixで、映画やドラマ鑑賞をみんなでしたりもよくしました。
私がバンクーバーに行く前には、ワイナリー巡りなどにも連れて行ってくれたり、とにかく2週間とは思えないほどたくさんの思い出を作ってくれたのです。
ドイツ人カップルも私より少し後に来て共同生活をおくったのですが、二人とも20歳前後にも関わらずとてもしっかりしていて、英語がペラペラなのはもちろん、自国や世界の政治についてなど真剣にホストファザー・マザーと語っており、とても良い刺激を受けました。
英語が上手く話せない私にも気さくに話しかけてくれたり、日本とドイツの違いを話したりしながら過ごせたのも貴重な経験です。
そんな5人での生活の中、私は1人英語ができず、さらに自分から話す方ではないので、私が会話に参加できていない時には、ホストマザーがすぐさまそれに気づいて話を振ってくれたり、わかりやすい英語で話してくれたりしたので、本当にありがたかったです。
2週間という短い期間でしたが、非常に中身の濃い貴重な経験をさせてもらえたので、私のカナダでの思い出の中でも、特別な思いがあります。
父や母、姉など自分の家族を連れて来たいと心から思い、また、自分自身の家族を持った時も、是非一緒に連れて来たいと思えた場所。
何もない田舎町が、誰とどう過ごすかで幸せの度合いを変えてくれると気付かせてくれた場所でもありました。
本当は全く計画になかったファームステイ。
導かれるかのように引き寄せられるかのように行ったカナダ・オリバーでのファームステイ。
ホストファミリー次第というところもあるかとは思いますが、私にとっては本当に行って良かった!と心から思えた特別な経験となりました。
- Bound to Boundでライター兼校正担当の矢野です - 2016年2月21日
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