ワーホリ(ワーキングホリデー)前のフィリピン・セブ留学は意味があるのか
セブ留学と聞くと、綺麗なビーチの広がる小さな島で勉強をするものだと思っていた。
セブ留学を検討している多くの方がイメージするであろう超絶綺麗なビーチは、シティから遠く、高級ホテルのプライベートビーチの場合が多いので、入場料を払わなければ入れないという。
なんだそりゃ!!!
…と、いう事で、セブを訪れて気付いたこととして、セブ留学経験者の大半が、英語を話せないままカナダやオーストラリアなどにワーホリ(ワーキングホリデー)に行くことになってしまう理由、セブの状況、留学生達と交流して感じたものを書いてみようと思う。
英語力は伸びるのか
欧米の国々と比べると物価も授業料も低いので、英語の勉強の為に「とにかく留学してみたい」という方には悪くない環境のように思う。
実際に、セブ留学後にワーホリをする人はとても多い。
カナダでもオーストラリアでも、セブ留学後にワーホリに来たという方をよく見かけた。
しかし、セブ留学経験者100人以上の人と接してきたと思うが、英語力が高いという人には殆ど出会ったことがない。
マンツーマン授業を売りにしている学校が多いので、スピーキングが伸びるものなのかとイメージしていたが、どちらかというとTOEICの点数(リスニングとリーディング)が伸びたという人が多い。
授業を通してマンツーマンでの会話には慣れるが、複数で話す能力を身に付ける機会が少ないように感じる。
実際にワーホリをしていれば、自分以外は現地のネイティブスピーカーなどという状況も多々あるだろう。正直なところ、これが一番きつい。そして同時に「海外で生活する」という観点では、本来の英会話に近いものであり、このレベルをクリアすると英語で話すことにストレスを感じなくなってくる。
ネイティブスピーカーと二人で話していたり、留学生複数人とネイティブスピーカー少人数で話していると、大抵のネイティブスピーカーは気を使って分かり易い表現方法で話してくれる。この点が、セブ留学経験者の弱みだと思う。
ネイティブスピーカーが大半を占める場や、英語力の高い留学生が相手の場合などは話す速度も表現方法も全然違う。
そのような状況に対応できる会話力をセブの語学学校で身に付けようとしたら、フィリピン人の先生を複数用意して、生徒は自分ひとりという環境を作らなければならず、費用面などを考えると現実的ではない。もしくは、フィリピン人の友人たちに囲まれての生活となるがこれも難しいようだ。理由は後述する。
では、実際のワーホリではどんな人が高い英語力を持っていたのか。
単純な話だが、独学でしっかり勉強してネイティブの友人との交流を持っている人達だと思う。
まず、しっかり勉強するという事は大事だがなかなか独学で勉強するのは難しい。そういう意味では、ストイックな学校が多く、物価が上がり続けているとはいえ欧米に比べればコストを抑えられるセブ留学は非常に価値のあることだと思う。
仮に生活レベルの英語力を身に付けることは出来なくても、1対1での簡単な会話に慣れることや、TOEICの点数を上げることは無駄ではない。
しかし、ネイティブスピーカーに囲まれて生活するということを考えると、一つの国で長く過ごし交友関係や、コミュニティや職場での人間関係を築くことの方が価値があるのではないかとも考えてしまう。
ワーホリ前に海外に慣れる?
ワーホリ前に英語に慣れる、海外に慣れる為のステップとしてフィリピン留学をしようという宣伝を見たことがある。
カナダとオーストラリアでワーホリを経験してきたが、僕からすると何故わざわざフィリピンで英語・海外生活に慣れる必要があるのか分からない。
フィリピンで英語・海外生活に慣れる、ワーホリ先の国で英語・海外生活に慣れる…何が違うのか。
街では現地のの言葉が飛び交い、英語なんて滅多に聞こえない。
それ以前に、恐らくワーホリ協定を結んでいる大半の国よりも治安の悪い国の筈なのだが。
実際には、色々な語学学校の生徒とお話させて頂いたが、セブは危険な街なのであまり出歩かない方がいいと語学学校のスタッフが警告しているという。
食事は学校内や留学生や観光客向けのどこの国にでもあるお店で済ませ、物価の安さを感じやすいローカルのお店に行くことも少ない。
これでは、せっかく海外にいるにも関わらず他国の文化に触れられないではないか。
フィリピンの治安
セブに着いてすぐの頃に、ジプニー(バスのようなもの)に乗って驚いたことがある。
ジプニーはフィリピン人にとってメジャーな交通機関で、距離にもよるが30分くらいの移動ならタクシーの20分の1程度の値段で乗れる。
しかし、多くの留学生がセブに滞在しているにも関わらず、ジプニーに乗っている日本人や韓国人を見かけたことがない。理由はこれも語学学校のスタッフに危険だと言われているかららしい。
そして、先生やお店位でしかフィリピン人と接する機会がなく、フィリピン人の友人がいる人は滅多にいないという。
逆に(本当に珍しい経験だろうが)、フィリピン人に拳銃を突きつけられたことがあるという日本人には出会った。
語学学校側が過保護なのかというとそういうわけではない。彼等が警告する通りマニラと比べれば治安の良いセブであろうと危険なことは沢山ある。
窃盗、暴力などの犯罪は決して珍しいことではない。
インフラ環境も低いし、衛生環境も悪い。更に、ぼったくろうとしてくる人も少なくない。
本当に語学留学として、ストイックに引きこもる覚悟のある人が訪れるべき国のように感じた。
日本人・韓国人とつるんでしまう
上記のように、治安面で外に出歩いたり、ワーホリのように働いたりすることが難しいために学校でのコミュニティが中心となる生活を送っているようで、結果日本人同士や韓国人と接することが多くなる。
英語力を伸ばすためには日本人同士で固まらない方がいい、同じレベルの英語力の人と過ごすよりもネイティブと接したほうがいい。と、言われることも多い。
実際、英語力を伸ばすことが目的ならば事実だと感じるけど、人生においてはもっと大事なことも沢山ある。
セブ留学で出会った友人が一生の友人になるかもしれないし、フィリピンで感じたことや考えたことを日本語で話し合いブラシュアップさせる中で人生に大きな影響を与えるかもしれない。
日本人・韓国人同士でつるんでしまうというのはワーホリでもよく見かけることで、セブ留学だけに限ったことではないが、英語力を伸ばすという意味では学校でのコミュニティが生活の基盤になるセブ留学ではワーホリ以上にストイックに取り組む姿勢が求められるように感じる。
さて、セブ留学は本当に必要なのか
英語面でいうと勉強しかすることがないので、ストイックに勉強する環境を作るには最適な環境。
しかし、セブ留学ではマンツーマンでの会話力を身に付ける事はできるが複数人での会話力は身に付けるのが難しい。
そして、日本人同士、又はお隣韓国の方と接することが多くなってしまう環境。
物価が上がり続けているフィリピンはもはや大してコストパフォーマンスが良いとも思えないし、異国の文化に触れる機会が少ないという点を考えると、セブ留学に使う時間と費用をワーホリ先での語学学校費に少しでもまわす方が賢明なように感じる。
例えばオーストラリアでの滞在を二年に延ばしたり、二か国でワーホリをするなども可能だし、ワーホリで滞在する時間を語学学校で消費するのは勿体無いと感じる方は、学生ビザで入国し何ヶ月か語学学校に通いながら生活し、語学学校終了後にワーホリビザ(オーストラリア以外では1年間)に切り替える等の方法もあるのだがそれはまた別の記事で紹介します。
また、今回はあくまでも「ワーホリ前にセブ留学は必要なのか」という視点で考えてみたが、留学後のインターンシップや、就職などにおける選択肢の多さ、日本からの距離、人種差別などの問題、今後の経済成長など、視点を変えるとまた価値は変わってくるので、フィリピン・セブ留学では英語力が伸びない?など、他のライターの方のフィリピン・セブ留学での経験談なども参考にしていただければと思います。
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