インドにおけるレイプの危険性について
私は2015年2月8日(日)に世界一周の旅を目標に日本を出発し、台湾、タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマー、シンガポール、マレーシア、ネパール、そしてインドと旅してきました。
諸々ございまして、現在はインドにある某日本人宿のボランティアスタッフを務めている大阪府出身の、28歳です。
さて、早速ですが本題に入りたいと思います。
お父様、娘さんのインド行きを猛反対されているそうですが、何故でしょうか?
インド人はウザい、ぼったくりが横行している、など口コミが悪いから?
衛生面が悪く、インフラも整っていないからでしょうか?
レイプ等の性的犯罪が多いイメージがあるから・・・ですよね!?
最近そんなニュースが多いからですよね?
本日はインドにおけるレイプの危険性について少しお話しさせて頂きたいと思います。
インドでは年間約34,000件のレイプ事件が起きています。
日本では年間約1,400件のレイプ事件が起きています。
インドは本当にレイプ事件が多い国です。
スウェーデンでは年間約5,700件
ボリビアでは年間約3,700件
ニュージーランドでは年間約1,300件
参考になりますが、他に国でのレイプ事件の件数です。
インドは世界断トツでレイプ事件の多い国。
その上、人はウザいし、ぼったくられる。
これは大切な娘さんを行かせる訳には行きませんよね・・・?
でも、違うんです!!そうではないんです!!
インドの人口はご存知ですよね?
そうです、約12億5千万人です。
日本は約1億2千7百万人。
約10倍の差があります。
人口が多いと犯罪件数が多いのは自然の流れです。
しかしそれにしても多い。
それを加味してもインドは日本と比べるとレイプ事件が多いです。
日本は比較的平和な国だからでしょう。
説得力が足りませんか?
ではこちらをご覧ください。
「ここは絶対安全」と言える場所は世界中のどこにもない
(※参照:KNOEMA/全国レベルにおけるレイプ、人口10万人当たりの割合)
これは人口10万人当たりのレイプ発生件数を国連薬物犯罪事務所(UNODC)が統計を取ったものを表にしたものです。
アメリカでは年間約79,400件のレイプ事件が起きています。
インドの首都デリーでは約1,400件と国内で最もレイプの発生件数が多い街ですが、ニューヨークのそれには及びません。
スウェーデンは年間約5,700件ですが、10万人当たり58.9件と世界断トツ1位。
どちらも脅威ですよね?
2013年の表にはデータの無いボリビアとニュージーランドにも、2012年のデータなら残っています。
ボリビアは10万人当たり33.0件、ニュージーランドは10万人当たり29.6件と、上位に食い込むことが分かります。
インドは10万人当たり2.7人。どちらがレイプ被害に遭う可能性が高いと言えるでしょうか?
そして何故か国名さえ載っていない韓国では年間約19,700件のレイプ事件が発生しており、人口10万人当たりだと39.2件。
堂々の世界第2位です。
日本の児童ポルノの影響だとか言われていますが、当の日本は10万人当たり1.1人。
統計上、インドが特別レイプの発生件数が多い訳では無いことはご理解頂けたでしょうか。
世界的に見るとインドだけが危ないと言われるのはおかしな事なのです。
見方を変えれば、報道の自由度が高いインドだから故に悪いニュースが際立っているとも言えます。
さて、もし娘さんが、「9.11メモリアル グラウンドゼロを見にニューヨークへ行きたいの!」と言ったら何と返しますか?
「韓国って国内旅行より安く済むんだよね!ちょっと行ってくるー!」と言われたら?
「ボリビアのウユニ塩湖には絶対行きたいの!!素敵な想い出作ってくるね!!」と言われたら?
「スウェーデンにオーロラを見に行くのが夢なの!!」と言われたら?
先進国なら安全?
途上国は危険?
何の説得力もありません。
先月トルコの首都アンカラでテロ事件が起きました。
その前はタイのバンコクでもテロ事件が起きました。
バングラディシュでは日本人が殺害されました。
日本でも無差別殺人事件は起こります。
例えばインターネットで「インド 事件」「日本 事件」と検索してみて下さい。
世界から平和だと言われる日本の方が明らかに凄惨な事件が多いことが分かります。
もう「ここは絶対安全」と言える場所は世界中のどこにも無いんです。
いつどこでどうやって死ぬかなんて全く分からない。
だから私は旅に出ました。
本当にやりたい事をやって死ぬなら本望。
そう思ったから・・・。
先入観を持たずに考えてみよう
私が言いたい事はただひとつです。
『先入観を持たないで下さい』
インドについて何をご存知ですか?
食事はカレーばかりだと思っていませんか?
未だに国民全員が右手だけでしか食事をしないとでも?
宗教について。
国民の80%以上が信仰されているヒンドゥー教について何をご存知でしょうか?
年間何度も催される祭りや大規模な礼拝。
人々の神々への信仰心。
知らない人にも掛けられる親切心。
日本人が忘れているものを彼らはたくさん持っています。
カースト制度について。
インドには世界でも珍しいカースト制度と言う制度がありました。
その階級の人は、一生その仕事にしか就けないという階級制度です。
一生レストランの床掃除、一生乞食・・・こんな人がインドには未だにたくさんいます。
生まれてきた時からその人の人生は決まっているんです。
名字で階級が分けられているので、ごまかしはききません。
1950年の新憲法で、カースト制度に基づく差別は撤廃されていますが、まだまだ根強く残っているのが現状です。
インド人が嘘つきだと言われる件について。
インド人は文化的に「知らない」とは滅多に言いません。
もし誰かに何かを尋ねられた時、知らなくてもあぁだこうだと言ってきます。
それが彼らの親切心。思いやりの心なのです。
だからそれが結果的に間違っていることがある。
ただそれだけの話です。
インドで道に迷ったら最低5人に聞けと言われているのはこの為です。
5人で多数決を取って多かった道へ進む。これで良いじゃないですか。
インド人はぼったくりを働くと言われる件。
買い手は安く買いたいし、売り手は高く売りたいですよね?
そんな当たり前の話です。
買い手がその時了承したのであれば、後からごちゃごちゃ言うべきでは無いです。
それをするのが日本人。
あっちの方が安いじゃないか、と。
自分で契約書に判を付いたのに勝手に騙されたと思っている。
インド人からしても迷惑な話です。
現地に行かないとわからないことがたくさんあります。
自己責任を持って旅をする
言葉の壁、価値観の違い、味覚の違い・・・
違うことばかりではありません。
簡単な現地語くらいすぐに覚えられるし、音楽は言葉の壁を越えます。
価値観や味覚は少し歩み寄ろう。
郷に入れば郷に従え。
それだけでコミュニケーションが取れるんです。
不思議なほどにね。
無論「インドは安全です」と言っている訳では無いので誤解しないで下さい。
しかしこう言ったインドという国が抱える社会問題や生活の背景を知り、理解していく中で、人は成長できると思いませんか?
もし娘さんを笑顔でインドへ送り出せてあげることが出来れば、たくましく成長して帰ってくるとは?
インドに限らず他の国でもそんな体験は出来ます。
しかし良い意味でも悪い意味でもパンチが効いてる国、それがインドです。
インドになんか行きたくないと言っているのなら話は別です。
行かない方が良い。
でも行きたいと、それが娘であっても大人の女性であれば止めることは出来ないはずです。
中途半端な知識や先入観で、人の夢を潰さないで頂きたい。
昨今の様々な事件の影響を受け、現代の旅人は昔よりも保守的になってきていると聞きます。
「自己責任」
この言葉を旅人は皆、心の何処かにしまいながら旅をしています。
自分の身は自分で守る。
そんなこと旅人なら当たり前ですから・・・。
最後までお読み頂きありがとうございます。
- ミャンマー観光~経済発展と変化を続ける国と街~ - 2017年9月1日
- ベトナムで人気No.1スポーツ「ダーカウ」を追え!! - 2017年3月8日
- バングラデシュの治安・人・食事・物価 - 2017年3月4日
- 無断欠勤から見るヨーロッパ最貧国アルバニアの実情 - 2017年1月9日