世界一周の一ヶ国目に台湾を選んだ理由
2015年2月8日(日)、僕は世界一周の旅に出た。
世界一周第一ヶ国目をどこにするか、あまり迷いが無かったように思う。
ワーキングホリデーでオーストラリア滞在中にはたくさん台湾人の友人が出来たし、同じ宿に滞在中の台湾人達が2013年の台湾の旧正月祝いを各自様々な料理を持ち寄って開催していて、他の国出身の友人たちに振舞っていたのが印象的だった。
当時英語が底辺だった僕に親切してくれたのも台湾人が多かった。
だから単純にそんな彼らの生まれ育った場所へ行きたいと思った。
旧正月の日は毎年変わる。
2015年は2月19日だったのでその少し前に台湾入りして、正月前後の台湾の雰囲気が見てみたいと思い、世界一周出発のタイミングも実はこの台湾の旧正月に合わせた。
どこへ行ったって僕がやることは変わりない。
その土地の人々の暮らしを追い学ぶ、ローカル旅をするだけだ。
友人が毎日案内してくれた
関西空港で両親に見送られ、旧正月の10日ほど前に台湾の首都台北に到着した。
しかし旧正月前後の様子を見るのに完璧だと思っていたのは、台北メインステーションまで迎えに来てくれた台湾人の友人ショーンと再会した時までだった。
ショーンに旧正月の雰囲気が見たいんだと今更ながら尋ねてみると、ショッキングな一言が返ってきた。
「台北の人はみんな地元に帰るから台北でそういう雰囲気を味わうのは難しいよ」
な、なんだって・・・?
「その代わりに僕が台北周辺の案内をしてあげるよ」
あ、ありがとう!・・・どうしよう。
そして翌日からショーンが毎日付きっきりで朝から晩まで色々なところを案内してくれた。
まさか最近仕事を辞めて毎日暇しているなんて思いもしなかった。
「どこへ行きたい?」
そう何度も聞かれるのは面倒だと思ったので、早い段階で僕は観光というよりは現地人の暮らしぶりを見てみたいという旨を伝えた。
でもせっかく案内役を買って出てくれたショーンに申し訳ないので、ちょっと行ってみたいなと思っていた『九份』を提案した。
九份というのは、映画「千と千尋の神隠し」の舞台となった場所。
「九份か・・・あの映画の舞台になった場所だよね?じゃああそこも行こうか、十分!」
ショーンは親日家で日本語も少し話せる。
日本の映画を見て日本語の勉強もしている。
それにしても九份に行きたいと言っただけで十分にも行こうなんて、どういう冗談なんだ?
そう思っているとすぐさまスマホで十分と呼ばれる場所の写真を検索して見せてくれた。
あ、本当にある場所だったんだ・・・。
その日からショーンは本当に色んな場所へ連れて行ってくれた。
日本人の僕を気遣ってか温泉の有名な北投や、夜市が有名な士林、中正記念堂etc・・・。
結局時間もたくさんあったので観光もたくさんしたわけだが、ずっとショーンが説明してくれたり僕の要望は全て聞き入れてくれたのでとても充実した日々となった。
おすすめは台湾の旧正月
あっという間に10日間が過ぎ、台湾の旧正月の日となった。
なんとこの日はショーンが自宅へ招待してくれたのだ。
せっかく旧正月に合わせてきたのにどうしようかと途方に暮れるところだったので、飛び上がるほど嬉しかった。
台湾も日本と同様、ほとんどの仕事は休みとなり都会暮らしの人々は実家のある田舎へ帰省する。
そのため首都の台北はいつもより交通量は少なく街はとても静かだ。
ゲリラ的に行われる爆竹を除いて・・・。
ショーンの自宅には、母親と2人の弟、全く懐かない猫が1匹いた。
また台湾も日本と同様、正月は家族で過ごす。
家族で料理を作ったり買ってきたりして、それらを囲んで食べる。
僕たちは3チームに分かれて料理をすることになった。
お母さんと末っ子の弟チーム、次男とその奥さんチーム、ショーンと僕チーム。
みんなで作った料理をみんなで囲んで食べる。
最後にこれまた日本と同様、お母さんからみんなへお年玉が配られた。
へぇ~これも日本と一緒なんだとその様子を眺めていると、なんとお母さんは僕の分のお年玉袋まで用意してくれていたのだ。
本来家族だけで行われる年に一度の行事に、よそ者の僕なんかを招き入れてくれたショーンのご家族にはいくら感謝してもしきれない。
台湾人は控えめな人が多い!?
台湾滞在中にはショーンの友人にも何人か会った。
僕が普段の普通の台湾人の暮らしぶりが見たいと言ったからだ。
ショーンが普段通うカフェ、友人とたまに行く飲み屋、以前働いていたカフェでカプチーノを淹れてもらったこともあった。
ショーンの周りの人もやはり温かく、そして良き理解者だった。
英語や日本語を勉強しているという人にもたくさん会った。
みんなそれぞれ将来の為だとか、ビジネスの為だとか、ただ日本の文化が好きだからとか普通の理由なんだけど、なんだか彼らと話していて引っかかることがあった。
それに気付くのには少し時間がかかったけれど、ようやくわかった気がする。
うん、台湾人は控えめな人が多いと思う。
やたらと僕の事を褒めたり立ててくれたりする人が多かった。
僕がこれから世界一周の旅をするんだよと言うと、そんなこと考えたことも無かったと。
そんな褒められるようなことでは全く無いんだけど。
それは歴史的背景なのか、経済的状況なのか、それはよくわからない・・・。
空港まで見送りに来てくれたショーンにやっぱりお年玉は受け取れないと返却した。
そしてショーンはもちろん、僕が日本へ帰ってから外国人の友人が日本へ遊びに来たら全力で案内してあげよう、そう固く心に誓った。
世界一周第一ヶ国目、最高のスタートがきれた。
そんな大切な国、台湾。
また行きます。
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