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ワインの産地 カナダ・ケロウナ

ワインの産地 ケロウナ

前回、トロントからケロウナという都市に移動したことについて記事を書かせていただきましたが、今回はケロウナに移動した最大の理由である、私がワイナリーでの仕事を得るまでの経緯を書きたいと思います。

そもそもなぜワイナリーで働きたいと思ったのか。

すごく単純な理由ですが、ワーホリでせっかくカナダに行くのであればカナダらしいことがしたい!と日本にいた時から思っていました。

そしてカナダで有名なものの一つとしてアイスワインが浮かんできて、日本ではなかなか経験できなさそうだし、ワイナリーで働いてみたいと思うようになったのが一番のきっかけです。

ではなぜ、ケロウナを選んだのか。

それは、日本にいたときからワイナリーで働くというキーワードをネットで調べていた際にヒットしたのがケロウナだったからです。

ケロウナ在住の日本人の方のブログを拝見し、その方に連絡すれば何か情報が得られるかもしれない、さらにはその方はシェアハウスを運営されているようだったので、そこに住むこともできる!と思いました。

ナイアガラ地方もワインで有名なのですが、元々バンクーバーに行きたかった私は、トロントの後にバンクーバー寄りの所に行けたら、ワーホリの最後にバンクーバーにも行きやすそうという考えが出てきたのも、ケロウナへ移動しようと思った理由の一つです。

ケロウナという地名は殆どの日本人にはまだ知られていないと思いますが、カナディアンが住みたい都市1位にも輝いたことのあるという、ブリティッシュコロンビア州内陸部、人口約12万人の都市です。

オカナガンレイクという湖畔沿いに位置し、ワイナリーが点在するワインの産地でもあり、ワイナリーツアーやイベントなどがあります。

私の仕事の探し方は…

ワイナリーの仕事探しで私がしたこと

ではどのようにして仕事探しをしていったのかということですが、まず、ケロウナでの滞在先となったシェアハウスの日本人オーナーには、トロントにいた頃から事前にワイナリーで働きたいからケロウナへ移動したいということを伝え、ワイナリーに関する質問をしたりしていました。

ケロウナでは、トロントやバンクーバーなど主要都市にはある日本人向けのサイトや日本語の求人などなく、カナディアンも見るサイトや直接応募したい職場のホームページで求人を見たり、紹介・口コミ、店の張り紙などで情報を得ることが多いようです。

しかし、日本人だからか私のメールが悪いのか、サイト経由でメールしてもほとんど返事が返ってきません。

そうなれば直接出向くしかありません。

家の一番近くのワイナリーに行き、ワイナリーで働きたいと言ってはみたものの、何かワインに関する経験がないなら難しいと断られ、家から少し離れたワイナリーへは15-20センチほど雪が積もった坂道を登り、ようやくたどり着いたと思えば、どこも人出は足りているよとあっさり断られ…。

ワイナリーオフシーズンの2月に日本人を雇う余裕なんてどこもないということでしょうか。

そういえば積雪で道が見えなかったのですが、よく考えたらあれは歩道ではなく、完全に人の土地に勝手に侵入していました。そのくらい必死だったということで…。

そんなこんなしているとある日、シェアハウスのオーナーさんからとあるワイナリーのレストランでディッシュウォッシャーの求人が出ているとの情報をいただきました。

ワイナリーに併設されたレストランで働くのは、ワイナリーで働くというのとは少し違うな…と思いつつも、それでもワイナリーに関わる仕事には変わりないし、いろんな情報も手に入るかもしれないと、レジュメを持っていくことにしました。

次の日、レジュメとカバーレターを持って直接そのレストランへ行くと、「今人事担当者はいないからあとで渡しておくよ!」と、ウェイターの男性が優しく受け取ってくれました。

そのあとレストランの隣にあるワインショップに入ってみると、優しそうなソムリエのおじいさんが、「何か飲んでみるかい?」と声をかけてくれました。

アイスワインが飲みたいと言ってみると、すでにそのシーズンのものは完売したとのことで、それに近いLate harvestという甘いワインを試飲させてくれました。

本当は試飲にもいくらかかかるのだろうけれど、飲み終わったあと「おいくらですか?」と聞くと、「代金はいらないよ」と言われました。

それがとても嬉しくて、私はこのワイナリーで絶対に働きたい!と思いました。

家に帰った後、すかさずそのワイナリー人事宛てのメールにレジュメとカバーレターを添付し、レストランの人にレジュメを渡したので是非見てほしいということを送りました。

すると、次の日、人事の方から連絡があり、ディッシュウォッシャーではないが、他の部署で人員を探しているから面接に来てほしいと言われました。

かなり運が良かったのか、ケロウナへ移動して1週間もしないうちにさっそく面接をすることになったのです。

いよいよワイナリーで面接

いよいよ面接

勝負の面接の日、寒さをしのげる建物などもどこにもなかったため、早く行きすぎた私はワイナリー近くのバス停で鼻を真っ赤にしながら何度も何度もイメージトレーニング。こう聞かれたらこう言おうと、まるで就活の面接前。さらにそれを英語で考えて答えるというのが必要になります。

実際の面接の時も、まるで日本での就活かのように、人事の方と一対一の状況で質問をされていきます。

「今の住まいはどこで、ここまで来るのにどのくらいの時間がかかりますか?」

「なぜトロントからケロウナへ移って来たのですか?」

「まだケロウナに来て間もないと思いますが、この町は好きですか?」

「なぜワイナリーで働きたいのですか?」

「きれいな仕事ばかりではなく、力仕事や汚い仕事もありますがそれもできますか?体の大きい男性でもきつい仕事ですよ。ただ、以前ヨーロッパ出身の女の子を雇った時、彼女は小柄でしたがとても良く働いてくれましたけど。」

覚えている限りでは、事前に想定できそう且つこのくらいの数の質問しかされていない気がしますが、私にとっては何時間もの時がたったかのように感じ、終始緊張していました。

それでも、拙い英語だったかもしれませんが、必死に答えることはできたと思います。

面接の日取りを決める際のメールの感じでも、前向きなメールに見えたので、きっと面接にも受かるだろうと思っていました。

「数日後に合否の結果を連絡します」と言われ、ワイナリーをあとにし、面接後お礼のメールをして待っていました。

しかし、待っても返事は来ません。

ならば電話して聞こうと、電話をしても留守番電話になります。

私は先日のお礼と面接の結果を知りたいと何度かメッセージを残しました。

ですが、返事はありません。

カナダでは連絡がない=不採用だと周りから聞いていた私は、明らかにその不採用という結果に気づいてはいました。

けれど折角面接も受けさせてもらったし、ここまで来たからには引き下がれません。

そこで私はボランティアでもいいから何か手伝わせてもらえないか、また、そのワイナリーのホームページを見ると、日本語の翻訳文も見ることができましたが、日本語がかなり不自然だったため、私はプロの翻訳家でもなんでもないですが良ければ文章を直しますよと、かなり図々しいメールを送りました。

結果、メールの返事が来た!と思ったら、「残念ながらうちはボランティアは受け入れないし、日本語ページも今度直させるので大丈夫です」と、はっきり断られてしまいました(笑)

さすがにここまでくればもうこれ以上しつこくはできません。完全にやりすぎました…(笑)

ワーホリビザでの挑戦は無謀だったのか?

ワーホリビザでの挑戦は無謀だったのか?

家の近くがダメなら遠くのワイナリーだと他の所へも行ってみましたが、その日マネージャーが不在ということでスタッフの方にレジュメを渡し、名刺だけもらいました。

その名刺に書かれていた連絡先にメールするも返事なし。

スタッフの方にワインの知識やワイナリーで働いた経験はあるの?と聞かれ、ないと答えたのがやっぱりダメだったんでしょうか。

2月にワイナリーの仕事探しなんて、観光客も少なくカナディアンでさえ職探しの難しいらしいこの時期に、ワーホリの私がここで職を得るのはやっぱり無謀なことだったんだと自分に言い聞かせ、私は諦めてイエローナイフやバンフでの仕事探しを始めました。

この時期にも求人が出ていたイエローナイフのお寿司屋さんの求人などへ応募し、すでに後日面接をすることになっていました。

すると、その数日後、見覚えのある番号から着信がありました。

気付いた時にはまさか、と思いましたが、それは紛れもなく何度もかけたあのワイナリーの番号でした。

その電話に気付いた後、もしかして電話に出れなかったからメールでメッセージが来ているかもしれないと思った私は、メールを開きました。

するとそこにはこんな言葉が書かれていました。

“I have a position for you, please call me and you can start right away.”
(あなたにしてほしい仕事があります。電話をください、すぐに始められますよ。)

私はすぐに電話をかけ直し、「是非やりたいです!」と答えました。

「すぐに辞めたりしないですか?」と聞かれたので、「まさか!もちろん辞めません!」と答えると人事の方は笑ってくれました。

その答え方がよっぽど必死だったんでしょう(笑)

とにかく、この時の喜びと驚きは一生忘れないだろうと思います。

そして、その連絡が少しでも遅く来ていたら、私はイエローナイフかバンフに行っていたかもしれません。

そう思うとタイミングもすごく、奇跡的だなと思いました。

何が起こるかわからない、やりたいと思っていたら叶うこともある、それがやはりワーホリの面白さかもしれません。

そして、何か特定のやりたいことがあるなら、それを色んなところで周りに言っておくべきだなと思いました。

種を蒔いておけばそれがいつか芽となる日が来ます。ひょんなことから有益な情報が入ってきて、そこから仕事につながる可能性もあるので。

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HARUE YANO
カナダワーホリでの経験を中心に執筆中。帰国後は英語を活かした仕事をしています。