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海外で美容師をやりたかったけど・・・

海外で美容師をやりたかったけど・・・

私が美容師を目指した時はすでに日本は不況に入っていました。

2005年、高校2年生です。

いい大学に行っても、将来いい会社に就職出来るとは限らないし、大企業だって倒産する時代。

受験勉強から逃げる言い訳半分、興味半分。

手に職なら何でもいいか!くらいの考えでしたが、実際はカリスマブームも終わり、美容業界は右肩下がりでした。

就職してからは毎日朝から晩まで練習、練習、練習。充実はしていたと思います。

しかし頭の隅には、いつかNYやロンドンで美容師やりたいな~なんて憧れがあったりワーホリに行ってる友達が羨ましかったりして、何度か決心しかけては諦めてしまいました。

自立する前に海外に行ったら、帰ってきてから振り出しに戻るのではないかという不安。

周りに現実逃避だと思われたくなくて。

英語が出来ないし、貯金もない。

今になって思うと、こうやって「たら、れば」のネガティブは事を色々想定し過ぎて、自分の可能性を狭めていたのかもしれません。

スタイリストになる頃は結構美容師の仕事に行き詰まっていました。

もう、なんで美容師なんかになっちゃったんだ!と文句ばかりたれてましたね。

不況やら、美容師飽和状態で上がらない給料、きつい労働条件。

でも、その後、私は考え方というか、「視点」を変えることが出来たんです。

それにはいくつかの出会いがありました。

海外青年協力隊から帰ってきた子、オーストラリアにパーマカルチャーを学びに行く子。

実際それまでは美容師を辞めることばかり考えていましたが、今の自分でも海外でポジティブな目標を持って何か出来ないだろうか?

ボランティアでもなんでも、必要とされたり、人の役に立てたり、必要とされる事はないだろうか?

日本ではただの美容師だけど、途上国ならどうだろう?

もう下積みも充分だと思ってたので、今がタイミングだ!と思い込みました。

失敗したら日本でまた働こう。もうスイッチオンです。

インドネシアの美容室で働く

インドネシアで美容師をはじめる

その時、相談したり情報を集めたりして私が決めた条件は「海外で就職する」ということです。留学やワーホリではなく。

必要とされたい。ボランティア興味あり。アジア。英語圏じゃない所。なら途上国かな?

バリ行ったことあるからインドネシアでどうだろう?

ネットでジャカルタの日本人のいるサロンの求人を見つけて、会社の理念にも共感が持てたので、まぁとりあえず連絡してみよう。こういう時はまず瞬発力。後のことは考えちゃダメです。

最近は便利ですね。Skypeの電話で面接出来ちゃいます。

これで面接にインドネシアに来いなんて言われたら、断ってたと思います。この会社は言葉もこれから勉強してくれればいいとのこと。

南国っていいかも!ジャカルタは行ったことないけど、日本人住んでるから大丈夫だろう。それくらいしか考えてなかったです。

それからビザ取得までの3ヶ月、Skype英会話で英語を勉強しました。

インドネシア語は本だけ買って独学。

結局、インドネシアへの渡航までは数字くらいしか覚えられなかったですが。。

住民票を実家に移したり、運転免許の更新をしたり。事務手続きに1ヶ月弱は必要でした。

海外保険には入りませんでしたが、入ることをお勧めはします。

インドネシアに渡航してすぐの頃、高熱を出して病院に連れて行かれそうになったんですが、実費で5万円くらいかかると聞いて、行くのを拒んだ事があるので。(今はもう会社の保険があります)

私の今いる会社は、インドネシア人に日本の美容技術を教えて、世界で通用するスタイリストを育てることをビジョンとする会社です。

しかし、インドネシアというか暑い国の人は、そんなに勤勉ではないようです。

練習もよくサボるし、怒ると次の日仕事に来なかったり。せっかくシャンプー出来るようになったのに、急に辞めちゃったり。責任感を嫌い、向上心が気まぐれだったり。

初めは苛立ちとの戦いです。足りない言葉で、田舎から出てきた高校も出ていないような子に美容師としての技術を教育し、サービスとは何かを説き、働く事のやりがいや情熱を伝えるというのは、とても忍耐を要します。

彼らは美容師業に憧れなんて持っておらず、ただお金を貰えればいいだけなのです。

でも、中には美容師として花開く子も居ます。

その小さな可能性の為に、日々言葉と文化の壁と戦い、自分もサロンワークをして売り上げも上げて行かなければならない。

毎晩1日の反省や、なぜ?どうして、こうなった?の堂々めぐりが尽きませんでした。

しかしある意味では充実感や、日本では足踏みしていた自分の成長も感じています。私は、インドネシアで運良くいい会社に出会えたんだと思います。

ジャカルタでの給料と生活費

ジャカルタでの給料と生活費について

お給料に関しては私のような仕事は基本給+歩合というのが付きものですが、平均して
日本円で手取り24万くらい。

家賃が4~10万。ジャカルタは地域によって差がかなりでます。

ジャカルタの南だと6.5万くらいで1Rのアパートに住めますが、4万でコス(下宿)に住んでる人もいます。

私はジャカルタの北で4万の3LDKのアパートに一人で住んでます。

タクシーを使えば一ヶ月の交通費は1万を超えますが、乗り合いバスだと一回30円、一ヶ月で3000円くらい。

ジャカルタはすでに都会です。モールでご飯を食べたり、日本の水準で生活すれば、私のお給料だと貯金は難しいのが実態。

でも、ローカル水準で生活すれば、1ヶ月8万円くらいは貯金出来ます。

わたしの働き方と今後について

わたしの働き方と今後について

できることなら留学するよりも、働きながら語学学校に通う方をお勧めします。

インドネシアに渡航してから半年弱の間、週一で実費でプライベートレッスンをしていました。

1年経つ頃にはもうほとんど言葉の不自由もなくなり、色々余裕も出てきました。

今は異動をしてマレーシア人とローカルスタッフと、日本人の居ないインドネシアの美容室で働いています。

正直、不便とかよりも楽しいです。

インドネシアはイスラム教徒が多いので、お酒を飲む機会は減るのかなと思います。
そして一番のご馳走は、卵かけ御飯。インドネシアでは生食用の卵が高いので。。そういう人多いようです。

今年はスキルアップのために一時帰国をしてカットを勉強してきます。

途上国にいても技術のブラッシュアップは必須だそうで。

その国の特徴や文化を理解する事で、現地に合わせた需要を知ることができます。それに伴い日本での技術や知識を順応させていく。

また視野を世界に広げることで、新しい仕事の仕方が生まれます。スキルや経験を活かして、少し素敵な仕事が出来ることもあります。

日本ではただの美容師だったのが、インドネシアでは美容師にちょっと毛が生えたくらいにはなります。
お金、言葉、用意周到に越したことはないですが、余程の僻地でない限り、住んで働いてみてお給料をもらいながら順応して行くという方法もあるということ。

やっとインドネシアの生活を満喫し始めたところですが、アジアの美容を繋ぐ仕事をしたいという目標が出来たので、次のステップもそろそろ模索しなければならないなと。

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