国際同居の実体験を紹介
私はドイツ人の夫と2人の息子、そして82歳になる義母と暮らしています。
国際結婚の魅力や問題点などは、時に雑誌のコラム欄で、時にイラスト満載のマンガテイストで、近年広く知れ渡るようになった感がありますがいかがでしょうか。
国際結婚には言語の壁や『常識』という名の生活基盤の隔たり、食生活や衛生観念の違いなど、乗り越えなければいけない壁は無数にあります。
しかし、それでも夫婦はその大前提として愛情で結ばれています。
何らかの問題や障壁が発生しても、どれも根本的には「相手と一緒にいたい」という気持ちが解決に導いてくれることでしょう。
国際同居に大きな欠落があるとすれば、それは自分と義両親との間には愛情が存在しない点ではないでしょうか。
この点では、国際結婚ではない普通の結婚の、普通の同居とまったく同じかもしれません。
私が見聞きした国際同居の裏話、今年から始まった自分自身の国際同居の実体験を少しだけご紹介したいと思います。
我が家の言語環境
さて、我が家の言語環境ですが、子どもたちに対して、大人は自分の母国語で話しかけています。
私と夫は英語。
私と義母が会話する際はほぼドイツ語ですが、義母は英語もできるので私が理解できない箇所は英語で補足してくれます。
今年82歳になる義母は戦争世代の職業婦人でした。
職業は小中学校の先生、専門は英語。
そのため、今でも日常会話程度の英語は不自由なく操れるようです。
遠い日本から嫁入りした私にとって、義母と自由にコミュニケーションがとれるというのは非常に幸運でした。
言語面での義母との関係をお話しすると、お互いに「どうせ外国人だから」というポジティブな感情が存在しています。
私も義母も自分の都合が悪くなると、意図して理解できなかったフリをします。
これでコミュニケーションがスムーズに進んでいる点は否めないので、国際同居の利点の一つかもしれません。
国際同居をしている知人の中には、アメリカでイタリア人のご主人と出会い、結婚したためご主人とは英語で話しているけれど、義両親はイタリア語しか話せずコミュニケーションに苦労している方がいます。
さらに、中国人と結婚し、同居している方はご主人とは英語、義両親とは中国語で話している方がいます。
義両親のご両親がまだご健在で、このご高齢の義祖父母が標準語である中国語は話せず、方言の一つである広東語しか理解できません。
ですから、同じ食卓を囲みながらも子どもたちとは日本語、ご主人とは英語、義両親とは中国語、義祖父母とは広東語と4カ国語が飛び交っているのだとか。
義母との食事
また、食事面でも私は非常に恵まれています。
グローバルな考え方を持っている義母は初めて見る食べ物でもとりあえず食べてくれます。
知人に同じくドイツ人義両親と同居をしている日本人女性がいますが、彼女の義両親は自身が食べたことがあるか否かに非常に潔癖で、初めて見る日本の食材には一切手をつけないそうです。
顕著なものに、昆布やワカメ、のり、ひじきなどの黒い食品があります。
知人の義両親の口癖の一つが「黒い食材は食べ物ではない」であるらしく、栄養価の高いこのような食材は家に持ち込むことも嫌がられるそうです。
国際同居7年目のその女性は、既にそういった食材を食べることを諦めたそうです。
このケースに比べると私は非常に恵まれています。
ただ、笑い話もあります。
ある日、義母がキッチンで見慣れないものを食べていたんです。
春雨と海苔とジャムを混ぜた創作料理とのこと。
義母の柔軟な味覚のおかげで、私は献立を考えるストレスが半減しているし、子どもたちにも心置きなく日本食材を食べさせてあげられています。
しかし、この時ばかりは柔軟すぎる義母の味覚に言葉を失ってしまいました。
自分も含めて、私の周囲の国際同居家族は得てして、結婚当初は日本人嫁と外国人姑の関係が比較的良好なようです。
みなさん、異口同音に「いい義両親でよかった」と言っていました。
日本とドイツでは異なる育児の方法
転機は子どもの誕生だと思われます。
自分のことであれば、多少水回りが汚くても、多少腐った食べ物を調理しても、多少必要物資を購入できなくても、異文化理解として受け入れることができます。
しかし、自分の子どもとなるとなかなかそうはいきません。
特に日本は離乳食の内容も、ベビー用品の消毒も、外気浴の長さや頻度も、諸外国に比べて厳格に指導されいてるようなので尚更です。
赤ちゃんという点では妊娠中から考え方の大きな違いが存在します。
日本では標準体重の女性で妊娠中に増加していい体重は12キロ以内(元の体重により増減します)で、厳しい産院では毎回の健診で厳しい食事指導を受けたりもします。
しかし、ドイツには妊婦の食事制限はありません。
こちらの女性は妊娠するとプクプク大きくなっていくからか、私が次男を妊娠していた時には太っても太っても「あなたはずっとスレンダーで偉いわねー。ちゃんと自分をコントロールできるのね」と手放しで褒められていました。
私は諸事情があり、日本に帰国して出産したのですが、日本の産院では即厳重注意を受け(帰国当時妊娠8ヶ月で体重14キロ増)、食べたものをすべて書き出して毎回提出しながら体重の増加を抑える食事指導が言い渡されました。
新生児の大きな違いと言えば入浴が挙げられます。
日本では新生児を当然のように毎日欠かさず入浴させますが、ドイツでは数日に1度、体調がすぐれないようなら1週間に1度です。
子どもを体調不良で医者に連れて行くと、まず指摘されるのが「水をたくさん飲ませているか」「シャワーを1週間に1度程度にしているか」。
理由は分かりません。
もしかしたら、水道水が硬水であるドイツの水質のためかもしれません。
1年を通して非常に乾燥しているドイツの気候のせいかもしれません。
しかし、医者の指示に従うと子どもの体調が快方に向かうので、こちらではこちらのやり方で子育てをしたいと思っています。
義母との同居で感じた文化の違い
さらにもっと些細ないざこざを挙げるならば、文化の違いもストレスになり得ます。
先述の知人のご家庭では、娘さんのヘアスタイルのことでお姑さんと大げんかをしたとか。
昔ながらの中国のご家庭では夏でも冷房は使いません。
特に地方の小さな村から都市に出てきたご高齢の方は、電化製品が普及した今でも、高い光熱費を節約するため冷房を使わない方が多いと聞きます。
乳幼児がいる生活で冷房を使わないと、当然汗疹ができてしまいます。
汗疹を防ぐために、3歳まで子どもは髪をバリカンで刈り、おしめは履かせないそうです。
これに耐えられなかったのが知人の日本人女性なのですが、耐えられなくても耐えるしかなく、頑張って家中に散らかる我が子の尿や大便の掃除に明け暮れたと言います。
おしめなしの子育てには耐えられたその女性も、娘さんの坊主姿には耐えられなかったそうです。
七五三のために髪を伸ばしたいとお願いしていたのに、七五三の写真撮影の数週間前にお姑さんに無断で坊主にされたときには本気で日本に帰ろうと思ったそうです。
中国はとても大きく、地方によって考え方も習慣も全く違うことがあります。
ここでご紹介した中国人のご家庭は、中国の中でも特に保守的で貧しい地域のご出身らしいです。
私の小さなストレスのお話をすると、例えばドイツでは乳幼児の外出の際には「必ず帽子をかぶらせなさい」と言う方が多いです。
夏は野生のノミから頭皮を守るため、冬は防寒のため。そのため生まれたときから子どもたちは外出の際には帽子をかぶることを習慣にさせるようです。
私と子どもたちは、子どもたちが1~2歳の時にドイツに来たので、すでに帽子を嫌がるようになっていました。
外出のたびに子どもたちに嫌がる帽子をかぶせるのは非常にストレスでしたし、かぶせると即座にはぎ取ってしまう子どもたちに対して毎度毎度「ほら、またかぶってない。帽子はどこなの?」と義母から小言を言われることも非常にストレスでした。
1分でも1秒でも、家族との時間を幸せに過ごしたい
私の国際同居は始まったばかりです。
これから長い長い時間を家族として共有していきます。
1分でも1秒でも家族としての幸せな時間を過ごせるように、小さなストレスは笑い飛ばしていきたいなと思っています。
私の国際同居、楽しいことや可笑しいことが起こればまたご紹介したいと思います。
ご精読ありがとうございました!
- 【アラサー女子必見!】フィリピン留学に必要な持ち物リスト - 2018年10月17日
- 【アラサー女子のフィリピン留学】エージェント&学校選び - 2018年10月5日
- オーストラリアワーホリで語学学校の必要性と選ぶコツ - 2018年8月23日
- アラサー女子が留学しようと思った理由 - 2018年7月29日